強い人 ページ18
〜貴方side〜
ナイトアイの事務所を出て、妙な違和感を抱えたまま寮へ戻った。
時間帯的に誰か居ると思ったが、共同スペースには誰一人として居なかった。
それを見た直後に疲れが出てきて、緑谷君と同時に座り込んだ。
「はあ…まずは第一関門突破だ…」
「本当にお疲れ様。」
そう言うと彼は、照れ臭そうに頭に手を当てた。
「ナイトアイに見初めてもらえたのは、針宮さんのお陰だよ。これに凄く助けられたし。」
そう言い彼は、リュックから小さいケースを取り出した。
それは中身も含めて、とても見覚えのある物だった。
「これ、今日渡した
そう、中身は、私の個性で創った針だった。
効果は、集中力高揚、緊張緩和の2種類だ。
中を覗いてみたが、渡した時よりあまり減っていなかった。
「その…勿体無いなって思っちゃって…あんまり使えなかったんだ。それに、針宮さんの個性についてノートに纏めたかったから！どんな効果の針でも創り出せるっていうのは、知力も大切だと思うけど、どんな状況なのかをしっかり理解して、その状況に対応する判断力と、それに伴う瞬発力がやっぱりカギになるんだろうな…」
1人で暴走している彼の肩に手を置き、そろそろ休もうと提案をし、各自部屋に戻った…と思わせ、もう一度共同スペースへ戻り、窓の方まで足を運ぶ。
「…オールマイト、もう大丈夫ですよ。」
「HAHAHA…針宮少女には、敵わないな。」
帰って来てから…いや、帰って来る前からずっと隠れていたのだろう。身体が固まって、押したら倒れそうな状態になっていた。
「待たせてしまいすみませんでした。約束の品です。」
彼に渡したのは、"呼吸器官強化"効果のある針だ。
一時的にマッスルフォームに戻る時が来るらしく、前から頼まれていたのだ。
ありがとう、と受け取った彼の顔は、何処か悲しげで、今にも消えてしまいそうだった。
こんな顔、緑谷君やナイトアイが見たら…
「…本当に、ご無理はなさらないで下さいね。」
「ああ、分かってるさ。…君は、いくつになっても優しいままだね。」
いつもの笑顔で私の頭を撫でる彼の手は、とても温かかった。…本当に、強い人だ。
また学校で！と言い残し、マッスルフォームで帰って行った。
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アルナ(プロフ) - (名前)さん» コメントありがとうございます！不定期ながら更新していきますので、これからも宜しくお願いします！ (2020年4月12日 20時) (
レス) id: 75328b6a43 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 面白すぎます！応援してます！更新頑張ってください！応援してます！ (2020年4月12日 18時) (レス) id: 0a80c4d22b (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - ユリさん» コメントありがとうございます。面白いと言って頂けて本当に嬉しいです！どんどん出せるように頑張ります！ (2018年11月24日 9時) (レス) id: 75328b6a43 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 面白いです。続きどんどんしてください。頑張ってください (2018年11月20日 7時) (レス) id: f266346369 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルナ | 作成日時：2018年9月30日 17時
