【神童拓人】ある日恋に落ちたのは俺の〇〇でした (ページ41)

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拓人side33 ページ41

Aと約束したデートの日

拓人『……』

待ち合わせ時間の30分ほど前から家に立っていた俺はそわそわしていた。

それもそのはず、人生で初めてのデートだからだ。

それに、休みの日にAに会うのは初めてだ

『行ってきます！』

ガチャ

色々と頭の中で考えているとAの声が聞こえた。

先程時計を確認したが、まだ待ち合わせ時間10分以上前のはずだ

『あ……』

『たっくん！お待たせ！』

Aの家とは逆側を向いていた俺は”お待たせ”と言った彼女の方へ振り向く。

拓人『A…？』

いつもとは別人の様なAを見て、つい疑問形になってしまった。

『…………』

拓人『………』

こちらを向いたまま無言になるAを見て、俺も無言になってしまう。

『可愛いいいい///』

暫く無言になった後、Aが叫ぶ

拓人『Aは、綺麗だ……』

『あはは、少女漫画でよくあるやつだね。』

俺の浴衣を見回し可愛いと言う彼女に、俺も素直な想いを伝えた。

拓人『本当に、思っただけだ…。』

『……』

『変じゃない？』

拓人『変なわけないだろ。』

いつもとは違う姿に俺の態度が変わることを心配していたのか、恐る恐る尋ねるAに答える。

『良かった！』

拓人『…行こう。』ぎゅ

『うん！』

笑顔を見せるAの手を引き、お祭りへと向かった。

＿＿＿＿＿
『わ〜〜〜！』

お祭りが開催されている神社に着いた。

拓人『ふっ…』

神社に着くと、目を輝かせ屋台を見渡すAを見ると、つい笑ってしまった。

『なんで笑うの！？』

拓人『子供みたいだな』

いつもより大人びた見た目とは裏腹に、目を輝かせるAの姿はまるでお祭りに初めて来た子供のようだった。

『むー！子供ですよ！！まだ中学生だもん！』

拓人『今のAは小学生見たいだったぞ？』

口を尖らせ屁理屈で返すなんて、本当小学生みたいだ。

『うう…』

拓人『…俺は好きだけどな。』

『ん？お祭り？』

拓人『お祭りで小学生みたいにはしゃぐやつのことだよ。』

『あんまり喜べないんですけど…』

拓人『喜ばなくて良い。』

そう言う純粋な所が好きだと言う言葉の意味は、Aに伝わらなかったようだ

『え？』

拓人『俺が勝手に、好きだと思っているだけだからな。』ふいっ

口を開けて固まるAとは逆の方を向き、Aに渡そうと用意していた物を探す。

『…拗ねてるの？』