【神童拓人】ある日恋に落ちたのは俺の〇〇でした (ページ25)

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拓人side17 ページ25

放課後

葵『神童先輩っ！』

Aと部活に向かおうとすると、廊下で空野が待っていた。

拓人『空野…』

葵『あの、話したいことがあるんですけど…』

空野は気まずそうにAの方をチラッと見る。

拓人『…』

葵『ここじゃちょっと言えないので…A先輩すみません！神童先輩おかりします！』

『えっ、うん？』

Aの返事を待つことなく、空野は俺の手を引っ張る。

俺も言っておきたいことがあった

だから話すのは構わない。だが……

拓人『手を離してくれ』

葵『えっ？』

葵『あっ、すみません！勢いで…』

拓人『…』

人に触れられるのは苦手だ

特に、女子に手を引っ張られたりするのは、あまり良い気はしない

……Aは例外だが

葵『あの…お昼はすみませんでした。いきなり飛び出しちゃって…』

誰もいない踊り場に着くと、空野が静かに口を開く。

拓人『…こちらこそすまない。』

拓人『俺はもう空野に協力する事が出来ない』

葵『…』

拓人『天馬を想い、苦しそうにしているAを見て思ったんだ』

拓人『俺が幸せにしたい、と』

葵『神童先輩…』

拓人『協力すると言ったのに…すまない。』

葵『…分かりました。』

葵『A先輩を、絶対幸せにしてくださいね！』

拓人『…ありがとう』

俺の気持ちを、Aが受け入れてくれるかは分からない。

でも、もし受け入れてくれるのなら、絶対幸せにする

そう思いながらグラウンドに向かった。