【神童拓人】ある日恋に落ちたのは俺の〇〇でした (ページ21)

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拓人side13 ページ21

何日か経った日の昼休み

Aは、好きな人の話をよくしてくれるようになった。

拓人『告白とかは、しないのか？』

『告白…』

『出来ないよ…今が幸せだもん。』

拓人『Aの事、好きになってくれるかもしれないぞ？』

天馬はAと仲が良くないわけではない。

寧ろ良い方だ。

それに、天馬が好きな相手にも好きな人がいるならば、その人の事は諦めて、Aと付き合うかもしれない。

『そんなに簡単じゃないよ…』

拓人『…そうか？』

Aは、俺の言葉で一瞬落ち込むような表情を見せた。

『…たっくんこそ、告白しないの？』

拓人『俺は…』

拓人『それも悪くないかなって思ってる。』

好きになってもらえる

諦めて付き合ってもらえるかもしれない

俺だってそこまでポジティブに考えられる訳では無い

『えっ…？』

拓人『好きだよ、A』

ーーー…そう思うなら、本当にAのためになってやれよ

ただ、瀬戸のこの言葉がずっと引っかかっていた

本当にAのためになること

叶わないと思っている恋から、救い出してあげることでは無いのか…？

…なんて、自分に都合の良い解釈かもしれないけどな

『ふぁいっ！？//』

拓人『どうだ？』

『えっ！？//』

拓人『俺のこと、好きになったか？』

『いやいやいやいや！！？何！？////』

拓人『…何って、練習に決まってるだろ。』

『えっ！？』

そうだ、今のは練習

告白をすると決めたとは言え、こんな所で了承してもらえるわけがない。

こんなに照れるとは思ってもみなかったが…

拓人『……落ち着け。』

『う、うん…。』

本気で驚いたのか、座ってた椅子を倒すほど勢いよく立ったAを宥める。

拓人『Aにも、練習になったかもな。』

『えっ…？』

拓人『仮にも好きな男がいるんだから、そうじゃない人に告白されただけでそんな反応したら、相手が勘違いするぞ。』

『むー…』

Aの反応は、もう少し続けていたら付き合っても良いと言ってしまうくらい、無防備だった。

それに、あんなに可愛い反応を他の男に見せたくない

拓人『しておいて良かったな。お互いに』