【神童拓人】ある日恋に落ちたのは俺の〇〇でした (ページ19)

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拓人side11 ページ19

数日後

Aと初めて気まずくなってしまった。

事の始まりは、放課後の部活が終わった後の事だった。

着替えが終わると、珍しくAの周りに倉間や浜野達…霧野を除く2年生が集まっていた。

拓人『何かあったのか？』

速水『最近、Aさんに元気がないって話です…』

拓人『そうなのか？』

確かに以前と比べると口数が減ったような気はしていた。

『いやいやそんなことないって！私は、可愛いたっくんや皆がいてくれるから元気いっぱい！』

そうは言うものの、Aは無理をしているような表情をしている。

浜野『ちゅーか、元気がないのは神童nもがっ！？』

拓人『……？』

『……』

拓人『A？』

浜野達が話し始めると、Aは何かを考えているのか、黙りこんでしまった。

『…っ』

心配になって声をかけると、Aは今にも泣きそうな顔をしていた。

拓人『大丈夫か…？』

『あっ、ごめん、ぼーっとしてた！』

拓人『あまり一人で抱え込むなよ。』

ぼーっとしていたと嘘をつくAの頭に、優しく手を置いた。

倉間『ははーん』

俺たちを見ていた倉間がニヤニヤしながら口を開く。

倉間『木下、お前…神童のこt『やめろ！』…？』

倉間の言葉が、霧野の叫びでかき消される。

俺のこと……？

Aが元気がなかった理由は、俺だったのか？

拓人『俺は、Aに何かしてしまったのか？』

『…まさか、してる自覚ないの？』

拓人『…俺は……』

真面目な顔で問うAを見て、自分がAを傷つけてしまったことに自覚した。

でも、俺は何を……

『たっくんがどうしてこんなに可愛いのか、最近ずっと悩んでるの！いつもいつも可愛いことして〜〜！』

拓人『………』

考えても分からない答えを探していると、Aに誤魔化されてしまった。

天馬『せんぱーい！』

どうしたら本当のことを話してくれるか考えていると、タイミングが悪く天馬と空野が一緒に帰ろうと誘ってきた。

Aに天馬と空野が一緒にいる時、同じ場所にいて欲しくないと思い、霧野にAを任せて帰ることになった。