【神童拓人】ある日恋に落ちたのは俺の〇〇でした (ページ15)

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拓人side6 ページ15

テストが終わり、Aが来てから1週間ほど経った。

Aが倒れた日以来、何度も教室を訪ねたが天馬とは会えなかった。

他の生徒によると、天馬は勉強を強要する空野から逃げていたらしい。

それも今日で終わる。

Aはサッカー部のマネージャーになった。

軽いミーティングが終わると、Aは浜野や倉間にちょっかいを出されていた。

浜野『ちゅーか、サッカー部に入ったんだ〜』

『浜野くん！！』

倉間『どうせ神童のおっかけだろ？』

『倉間くんのその嫌そうな顔好きだよ//もっと蔑んで//』

少しトゲのある2人の言葉に傷つかないか心配だったが、その必要はなかったみたいだな…。

倉間『…頭大丈夫か？』

霧野『Aはいつも通りだろ。』

拓人『…ああ。』

『蘭くうぅぅぅぅうううううう！！』

霧野『おい、皆がいる前で抱きつくな//』

可愛いヤツが好きなAは霧野にすぐ懐いた

女子扱いや可愛いと言われるのが嫌いな霧野だが、Aの前では満更でもなさそうだ

霧野『…Aは誰でも可愛がるから本当困るよな、神童。』

拓人『困る…？』

相手が嫌がらなければ良いんじゃないか？

『天ちゃああああああああん！！！』ダッダッダ

ぎゅーっ

天馬『せ、先輩！？』

そんな風に思ったのも束の間だった

天馬のもとへ走り、天馬の名前を呼び、天馬に抱きつくAを見て思う

誰でも可愛がるAに、俺は困っている

『がーん…』

神童『残念だったな。』ぽん

拓人『まあ、明日も会えるだろ。』

『たっくん…。やざじい……』うるうる

空野と話している間に天馬に逃げられてしまったAを慰めると、Aは目に涙を浮かべた。

拓人『お前は本当にすぐ泣くな…。目を閉じろ。』

『何！？ちゅー！？』

拓人『ばっ、馬鹿な事を言うな//』ふきふき

俺の返答を聞いたAが、少し不満げに口を尖らせる姿を見ていると、本当にキスをしてしまいそうだ

拓人『もういいぞ。』

『たたたたたっくん？//』

拓人『何だ？』

『ち、近いんですけど……//』

拓人『ああ、悪い…。』

からかうAに仕返しをすると、予想外の反応が返ってきた。

拓人『…Aもそんな顔出来るんだな。』

『えっ？私変な顔してた！？』

拓人『いや、可愛かった。』

『〜〜〜〜〜っ！？//』

拓人『冗談だ。Aがいつも言っt『帰る！！また明日！！// 』…おい？』

Aは顔を真っ赤にしたまま、走って帰ってしまった

本当は、純粋なんだな…。