罠に掛かるのはまたいつか、 ページ9
「やあ、泉屋」
ちょっとした私用の帰り、いつもの森を抜ける途中で見覚えのある女性に声をかけられた。
振り返るとそこには
「…ウノさんじゃないですか」
吸い込まれそうな紫の瞳を持つダムピール、ウノ・ブラッドブロウさんが立ってた。
「君が森の中を歩いてるって事は…僕の罠、もう引っかかってくれたかな」
僕に近づきながら淡々としゃべるウノさんは、どことなく嬉しそう。
「僕がそう簡単に引っかかると思います?」
しかし僕の言ったことが気に入らなかったのか、彼女は少しつまらなそうに肩をすくめてしまった。
「…君はどうにも面白みに欠けるね」
「そうでしょうか?」
悪戯好きなウノさんに呆れつつ左手に目をやると、巻かれていた包帯から鮮血が滲んでいることに気づく。
「自傷癖、ですか」
ボソリと呟くと彼女はすかさず答えた。
「全く、身に覚えの無い傷ばかりでね。おかげで飛び散った血を掃除するのが面倒だよ」
そう言って自嘲するような薄笑いを浮かべ、左手をひらひらと仰ぐ。
「ウノさん…」
「ま、もう馴れたけどね」
僕の声をかき消してお約束の言葉を付け加えた彼女は突然、くるりと回れ右をした。
「君と話していると僕の次の罠の仕掛けがバレてしまいそうだ、もう帰るとするよ」
「…そうですか。それじゃあ、またどこかで」
「ああ、またね。…次に会うとしたら、君が僕の罠に掛かっていた時が良いな」
無理をしているのだろうか、一見飄々として見える彼女は心の何処かに陰りを持っていた。
「あなたの仕掛ける悪戯なんて、僕には全部お見通しですよ」
「それは残念だ」
「なんせ僕は、面白みに欠けるものですから」
最後に皮肉たっぷりにそう言い放ち、ゆっくりと口角を吊り上げた。
―――だけどもし、
僕が悪戯に掛かることであなたの陰りを1%でも軽減できるとするならば
一度くらい引っかかってあげてもいいかな、なーんて思ったり。
【キャラクター協力】干しブドウ様
続く
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あいす(プロフ) - 元ひよらーです。良ければ私のキャラを使ってください！宜しくお願いします (2014年3月4日 15時) (
レス) id: d67fbe3847 (このIDを非表示/違反報告)
龍弦緋蜘蛛(神紅零)(プロフ) - 私のキャラも使いにくいでしょうが・・・よければ使ってくださいね＾＾ (2014年2月12日 21時) (レス) id: e7f6b3831e (このIDを非表示/違反報告)
木霊(プロフ) - 初めまして、桃源魔郷に参加させていただいているものです、よければ私のキャラも使ってください、よろしくお願いします。 (2014年2月11日 19時) (レス) id: 73a6765e70 (このIDを非表示/違反報告)
菜由☆(プロフ) - よかったら私のキャラも使ってください＞＜三岡なたねなんですが・・・ (2014年2月1日 18時) (レス) id: 428bad78f4 (このIDを非表示/違反報告)
新羅(プロフ) - aruku△さん» それはよかったです！もうどんどん使ってくれてかまいませんよ！ (2014年1月25日 23時) (レス) id: b4a3e57db5 (このIDを非表示/違反報告)
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