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雪女のメイドさん ページ4

桃源魔郷中央部、蛾雅龍館には


―――冷たい氷のような色の目を持つ雪女のメイドがいるらしい。


「…と、言う訳で或久!お前が蛾雅龍館に届け物な」


じゃんけんに勝って嬉々している倭さん。


表情には出さないものの、無事難を逃れ安心オーラだだ漏れの黒羽さん。


…僕らは今、蛾雅龍館への届け物をする配達人をじゃんけんで決めていたところなのです。


「結構遠いから、疲れるんですよねぇ」


ブツブツと文句を言いながら蛾雅龍館を目指し歩く。


こんな面倒な事になるなら、じゃんけんの時ふたりの気を読んでおけばよかった。


そうすれば僕はこんな面倒な事にならずに済んだのだ。


「まぁ、女性に荷物を持たせて蛾雅龍館まで行けって言うのも酷ですし…」


いくら男気がたっぷりでも、倭さんと黒羽さんが女性な事に変わりは無い。


しょうがない、ここは僕が大人しく役を買ってさっさと仕事を終わらよう。


そう思った時だった。


「あの…」


「ひゃぁっ!?」


突然後ろから声を掛けられ、女の子みたいな悲鳴を出してしまった僕。


…何たる失態。


「すみません、驚かせてしまいましたね」


僕が恨めしく振り向いた先には


―――冷たい氷のような色の、目。


「ゆ、雪女…のメイドさん」


「あ、私ヒナノ・メリーと申し…」


その途端、僕の視界は真っ暗になった。


どうやら貧血で倒れたらしい。


目が覚めた時には蛾雅龍館の応接間のソファーで寝かせられていた。


…また貧血か、いい加減有効な鉄分の摂取法を考えねば。


そんな事を考えながら部屋の中をぐるりと見回す。


シックなモチーフに統一された応接間、


高級そうなローテーブルに目をやると綺麗な字で書かれたメモが置いてあった。


『目が覚めましたら、ご自宅までお送り致します。』


僕は貴族でも、主人でもなんでも無いのにメモ帳には敬語でしっかりとそう書かれていた。


「…不思議な方ですねぇ」


その丁寧な口ぶりに僕は思わず吹き出してしまった。


―――これが僕のヒナノ・メリーさんとの出会いである。


【キャラクター協力】聖川蜜柑@土方桃花様

枕返しと日曜日→←倭さんと僕の屈服計画



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設定タグ:企画 , 桃源魔郷 , 妖怪   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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あいす(プロフ) - 元ひよらーです。良ければ私のキャラを使ってください!宜しくお願いします (2014年3月4日 15時) (レス) id: d67fbe3847 (このIDを非表示/違反報告)
龍弦緋蜘蛛(神紅零)(プロフ) - 私のキャラも使いにくいでしょうが・・・よければ使ってくださいね^^ (2014年2月12日 21時) (レス) id: e7f6b3831e (このIDを非表示/違反報告)
木霊(プロフ) - 初めまして、桃源魔郷に参加させていただいているものです、よければ私のキャラも使ってください、よろしくお願いします。 (2014年2月11日 19時) (レス) id: 73a6765e70 (このIDを非表示/違反報告)
菜由☆(プロフ) - よかったら私のキャラも使ってください><三岡なたねなんですが・・・ (2014年2月1日 18時) (レス) id: 428bad78f4 (このIDを非表示/違反報告)
新羅(プロフ) - aruku△さん» それはよかったです!もうどんどん使ってくれてかまいませんよ! (2014年1月25日 23時) (レス) id: b4a3e57db5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:aruku△ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2013年2月14日 7時

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