waaalk!!!【桃源魔郷】

黒羽さんとあんみつ日和 ページ2

「おーい、黒羽さーん」


「…」


無視とか結構、傷つくんですけど。


「ちょっとー、黒羽さん無視しないでくださいよー」


「…」


黒羽さんは相変わらずこっちを見向きもしない。


同い年なんだからもっと、愛想振りまいてくれてもいいのに。


…もう!


「そういうことされると僕、無理矢理振り向かせたくなるんですけどー」


そう言って軽く触れた頬は


白玉みたいにすべすべでひんやりとしていて


とても心地よかった。


「冷たいですね、寒いですか?」


「…ほっとけ、勝手に俺に触るな」


僕がそう聞くと黒羽さんは


少し怒ったような、困ったような口調で答えた。


黒羽さんには悪いけど、僕はこの時彼女を可愛いと思ってしまった。


そして不意に


―――甘い物が食べたくなった。


「…黒羽さん、近くに美味しいあんみつ屋さんがあるんですけど」


「あんみつか」


「はい、あんみつです」


冷たい肌に触れたくなった、


甘くて美味しいあんみつが食べたくなった。


僕は欲しいものは全部手に入れないと気が済まないんです。


…だから


「黒羽さん手、繋いでいいですよね?」


今日だけでも


「お前はいつも勝手だな」


「…それが僕ですから」


大人しく僕の物になってくださいね?


【キャラクター協力】*Noah*様

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