検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:2,726 hit

イノシシの王子様 弐 ページ2

『伊之助ってすごくキレイな顔してるなと思って。わたしよりお姫様って感じ。』
はい、できたよとつくろい終わった被りものを伊之助に渡す。

「オヒメサマって何するんだ?」
渡された被りものを被った伊之助がこちらを振り向く。

どうでもいいけど、イノシシがすごくリアルだな…。
間近で見ると、ちょっとコワい。どこで買ったんだろ。


『そうだなぁ…。ドレスを着てお城で踊ったり、毒リンゴを食べて王子様のキスで目覚めたりするね。』

「なんだそれ。つまんねぇ。」
ふんッ!と鼻息荒くふんぞり返る伊之助。


「Aはオヒメサマになりたいのか?」
こちらを見て伊之助が尋ねてくる。

『そうだねぇ…だいたい最後はハッピーエンドだし、キスで目覚めるなんてロマンチックでいいじゃない』
ふふふっと笑みがこぼれる。
そして怪訝そうな表情を浮かべる伊之助を見て、

『最近では仲間を率いて冒険したり、獣に育てられて人間と戦ったりするお姫様もいるみたいよ。』
と付け加えた。

「戦うのか…ならなってやってもいいな!」


磨いたどんぐりを大切そうにポケットに入れて、伊之助が立ち上がる。
そしてそのままわたしの方に近づいてきて…



『!!!??ちょちょちょっと伊之助!?』



視界が反転し、目の前には伊之助の顔…もといイノシシの顔。
ドアップになった毛皮を見て、お姫様抱っこされているのだと把握するまでに時間がかかった。

そしてそのまま…

イノシシの鼻が…


ちゅ


『いっ伊之助!なにしてるの!?』

額に触れたやわらかい感触。

こ、これは…


「オヒメサマはキスで目覚めるんだろ!!」
なぜか得意げな伊之助。



いやキスっていうか鼻だし…。

わたし、起きてるし。

そもそもイノシシの被りもの越しだからこれってキスっていうのか?


混乱したまま伊之助に抱かれて固まっていると、
「あー!!!!いのすけぇぇぇぇ!!!Aちゃんとなにしてるんだうらやましいぃぃぃ!!!!」と、善逸と「遅くなってすまない」炭治郎が飲み物を持って帰ってきた。


善逸から振りまくったコーラをかけられてギャーギャー騒いでいる伊之助の声を聞きながら、


これはつまり、わたしがお姫様で伊之助はイノシシの王子様…?

そんな王子様聞いたことないな、


なんて妙に冷静になって考えていた。

終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)


←イノシシの王子様 壱(伊之助)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (6 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
4人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 嘴平伊之助 , キメツ学園   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

まるこ(プロフ) - あやももさん» ありがとうございます!頑張りますのでまた見に来てください。 (2020年5月2日 0時) (レス) id: 4dbe1241d6 (このIDを非表示/違反報告)
あやもも(プロフ) - 面白かったです!これからも更新頑張ってください!! (2020年5月2日 0時) (レス) id: 0b584a1ab2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作成日時:2020年4月29日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。