【リレー小説】スカイハイ転生学園！～職業体験編～ (ページ46)

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「あれあれ～？どうしたのかな、怖いのかなぁ～？」

猫なで声で、手下が言った。
その犯罪組織が嫌悪感のする猫なで声を発するという異様な光景に、思わず鳥肌が立ったことだろう。
ぶるぶると震え、俯いている数。その右手に握られたノートが震えていた。

　「私の数式を………数式を……踏むなァ！」

怒声を発した。お手本のような、まさに「怒声」を。
数は自身の感情をそのまま爆発させた。
数の怒りを鎮めることは、自分たちではダメだと私、いや数以外の人間が悟ったのだろう。
周り一帯が奇麗に、水を打ったように静まり返る。

　「は………？いや…あの…」

急に怒り出した男子生徒を前に、怒らせた張本人の大量摂取の手下がしどろもどろになりながら慌てて弁解を並べ立てていく。

　「あ、いやそんな馬鹿にしたわけじゃないんだよ！お願いだから信じてくれよぉ！」

数の怒りによる重圧に、心の方が先に折れてしまっていたのだろうか。
後半の声には、泣き声が混じっていた。
そんな手下に容赦なく、数が彼の折れかけの心に追い打ちをかける。

　「ああもう黙れ、いい加減にしろ！」

雷が奔った。
後には、オーバードーズの手下の嗚咽が響くだけだった。

　 ☆★☆★

　「一件落着、ですかねぇ」

のほほんとした感じの神造先輩の声で、はっと我に返る。
意のままに感情を爆発させた数が、

　「そうですね」

と、こちらに視線をやることなく返事を返した。
良かった、数の心の波が凪いだようだ。思わず安どのため息が漏れた。

　「さて……これからどうします？」

神造先輩が、右手を額にぴたりと当て、助けを求めるかのように支倉教師に目を向ける。
支倉教師は笑って言った。

　「どうするも何も、学園に戻ろうじゃないか」