大作戦と英国紳士【マリィ】 ページ15
さて。
あたしは目の前に聳え立つスカイハイ巨大図書館を前に、ごくりと唾を呑んだ。
巨大図書館はその名に相応しい大きさで、少し雲が多い空をバックにどっしりと立っていた。例えるならば、さしずめ力士といったところだろうか。
あたしと同じく巨大図書館を体験先とした生徒たちも、各々興奮しているようだった。
興奮した生徒たちの色とりどりの靴が、コンクリートの地面を鳴らす。
トンッ、と誰かがあたしの右肩を叩いた。誰かと思って振り向くと、見慣れた顔がそこにはあった。
「ユノ、頑張ろうね」
「うん!でも、この図書館、すっごく大きいね!」
「そうだね」
「あ、行こ行こ!先輩たちいっちゃうよ!」
「そうだね」
レッツゴー!と、ユノが興奮冷めやらぬ様子で図書館めがけて一直線に駆けていく。
あたしは、「鶸斗君、作戦決行と行きますか」と、後ろからぽつぽつ歩きながらやって来た鶸斗君に声をかけた。
「うん、そうだね。頑張ろうね」
「よし、とりあえず行こうか」
あたし達は、ユノの背中を追いかけた。
☆★☆★
図書館のカウンターの真後ろにあった本棚前。
引率でやって来た雲隠先生・山口 海先輩・鶸斗君・ユノ・あたし達一行はイズさんの前に三角座りで座っていた。
あたし達の視線を集めたまま、イズさんがゆっくりと口を開いた。
「では、役割についてお話しますね。まず、ユノさんと鶸斗さんはカウンターにて貸し借りの手続きを。マリィさん、海さんは本棚の整理をお願いします」
では、宜しくお願いします。と、イズさんが仕事を行うよう促した。
あたしはあきらかに緊張して頬を紅潮させている鶸斗君に、目配せする。
鶸斗君はあたしの視線にすぐ気づき、大丈夫とでもいいたげにちらりとこちらを見た。
これなら、大丈夫そうだ。
「ええと…マリィさん、ですよね。早速頑張りましょう!」
「はい」
あたしは先輩に連れられて、整理をする本棚へと向かった。
本棚と聞いていたのだが、向かった先は図書館から少し離れたところにある倉庫だった。
どうやら倉庫の中の本棚を整理せよ、ということらしい。
しっかし、この部屋はちょっと埃っぽいな。
「さあ、整理を始めましょう!」
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雨読@低浮上…?なのか?(プロフ) - まだ四十八話だったのですが、続編の考査編へ移行させていただきます!これからも宜しくお願い致します! (2020年7月26日 16時) (レス) id: 10653b224c (このIDを非表示/違反報告)
雨司@多忙(プロフ) - 更新しました。 (2020年7月10日 13時) (レス) id: 10653b224c (このIDを非表示/違反報告)
雨司@多忙(プロフ) - 更新します。 (2020年7月10日 8時) (レス) id: 10653b224c (このIDを非表示/違反報告)
雨司@元ユリイ(プロフ) - 更新しました。 (2020年6月30日 18時) (レス) id: 2b687b1169 (このIDを非表示/違反報告)
雨司@元ユリイ(プロフ) - お久しぶりです。更新いたします。 (2020年6月30日 17時) (レス) id: 2b687b1169 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スカイハイ転生学園一同 x他9人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/sakyomatsu1/
作成日時:2020年5月12日 16時