肋角*お疲れ(2) ページ33
「痛くないですか?」
「…あぁ、大丈夫だ。」
そう言うと、肋角さんはすぐ眠りについた。
いつも一緒に寝る時は私の方が先に眠ってしまうから寝顔を見るのは初めてだ。
意外と可愛い寝顔をしている。
キッチリとオールバックに固められた髪を撫でる。
固めているはずなのにサラサラなのは何故だろうか
ふと、煙草のガラ入れに目が行く。すごいいっぱいで今にも溢れそうだ。
いつもいっぱいになっているイメージがないから、こうして見ると今日は変える余裕がないくらい忙しいのがわかる。
後でトイレ行くついでに変えておいてあげよう。
いつも大人の余裕のある人。
その人が今こうして私を頼ってくれているのを見ると、失礼だがめちゃくちゃ嬉しい。
そう思っていると寝返りをうって横向きになる。
その姿すらも愛おしく感じる。
「…好きです、肋角さん。いつもお疲れ様です。」
眠っているから届かないが、ボソッと呟いて手を握った。
_____
「…肋角さん、30分経ちましたよ」
そう声をかけるとゆっくりと目を開けて起き上がる。
目頭を揉んで、軍帽を被る。
「どうですか?少しはスッキリしましたか?」
「あぁ、目が冴えてきた。…ありがとうな」
「はい!」
肋角さんはフッと笑って、私の頭を撫でてくれた
「なかなかお前の太もも柔らかくて寝心地よかったぞ」
「…太ってると言いたいのですか」
「そうは言っていない。……あぁ、そうだ、この仕事が全て片付いたら、一夜俺の相手をしてくれ。」
「…ぅえっ!?」
言葉の意味を理解して、顔が真っ赤になる
「そ、そんなこと行ってないで仕事再開しますよ!!」
「あぁ、そうだな」
くつくつと笑われながら残りの仕事を再開した。
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作者名:ある人 | 作成日時:2021年1月15日 0時