検索窓
今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:3,587 hit

田噛*風邪(2) ページ31

「…た、がみ…」
「そうだ。俺は母親じゃねぇよ」
「…なんで母親…?私今なんて言ってた…?」
「お母さんって呼ばれた」
「…ごめん」
「別に気にしてねーよ」

夢で握られた手は田噛だった。
ひんやりしていて少し気持ちいい。

「体調は?」
「さっきより楽かも…さすが抹本の薬」
「飯持ってきたけど食えるか?」
「…少し」
「そうか」

そう言ってご飯の用意をしてくれる田噛。

出されたご飯は、卵入りのおかゆとうさぎの形をした林檎。


「……」
「どうした、食わねーのか」
「あっ、いや、食べる!いただきます。」

もぐもぐとおかゆを食べる。
…食べたことある味だ。
優しい味がする


「おいしい」
「そーか。まぁ俺が作ったからまずいわけねーんだわ」
「えっ」
「あ?」
「田噛が作ったの?」
「そーだよ、俺が作っちゃ悪ぃかよ」
「…いや、田噛今日任務だったよね?」
「そうだけど」
「わざわざ任務の後に作ってくれたの…?」
「…あぁそうだよ」

田噛は少し顔を赤くしてそっぽ向いた
珍しいこともあるもんだ

「今日の田噛優しいね」
「なんだその言いようは」
「ごめんごめん、田噛はそういうの面倒くさがると思って」
「そうだな、他の奴らならやらねぇかもな」
「…それって…」
「…食ったなら早く寝ろ」
「ねぇ!続きは!?」


そう言って彼は食器片付け早々に出ていった。
仕方なく寝ると、次の日ベットの隅で眠っている田噛が手を握ってくれていた。



_____

風邪が治って、みんなにお詫びの菓子を渡すと佐疫が


「実は今回の赫坂の任務は俺たち行ってなくて田噛が全部行ってくれたんだよ。それも1日で片付けたって聞いたからお詫びなら田噛にしてあげて」

と言われた。



「…田噛!」
「あ?」


私は田噛に思い切り抱き着いた


「っ…いきなりなんだよ」
「…ありがとう……看病も、任務も…」
「…あー」
「大好き」
「……」

田噛は何も言わずに抱き締め返してくれて頭をポンポンと撫でてくれた

肋角*お疲れ(1)→←田噛*風邪(1)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (4 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:獄都事変 , 短編集
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ある人 | 作成日時:2021年1月15日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。