抹本*ゴスロリ(2) ページ22
「えっ……あ、赫坂だよね…?その服、どうしたの?」
「紅薔薇さんに借りて……着てみたんだけど、どうかな?」
「すごい…別人みたい…でもどうして急に?」
「…抹本が、実験室に篭ってて最近なにもなかったから、驚かせてやろうと思って……」
「あ……そっか、ごめん、何もできなくて…」
「ううん、いつもの事だし、気にしてないよ」
「いつものシンプルの服の方もいいけど、その服も似合ってるよね」
さらっと抹本はそう言った。
「本当…?似合ってる?」
「うん、顔立ちがいいし、目も金色だから異国の人形みたいで綺麗だよ」
そう言われてめちゃくちゃニヤニヤした
「このままデートでもする?」
「うぇ?!そ、その服で?お、俺いい服とか持ってないよ…」
「あぁ、そっか、というかさすがにこの服は私でも恥ずかしいや」
「あ」
「ねぇ、このままお姫様だっこしてよ」
「え…?」
「この服着てると本当にお姫様っぽいでしょ?少し憧れてたんだ」
まぁ抹本細いし、ヒール履いたら私と身長同じくらいだし…って言いかけたら、抹本はすっと私の肩と足に手をかけ、持ち上げた
「…これでいい?」
…頭がフリーズする。まさかこんなにすぐ持ち上げられるとは
「俺確かに身長は低いけど、Aを持ち上げられるくらいの力はあるよ…」
「…っ」
「こ、この服、紅薔薇さんに返してくるね!
着替え終わったら、どこか行こう!」
急に恥ずかしくなって、私は急いで出ていこうとした
「あぁ、A待って」
抹本は私の腕を引き止めてキスをした
「最近一緒にいれなくてごめん、その服、本当に似合ってるよ」
いつもはしないような紳士的なことをされて、私はクラっとするのを抑えて紅薔薇さんのところに戻った。
進展あり。彼女には今度なにかお礼をしよう。
______↓おまけ
「そういえば、何の薬作ってたの?」
「え?これ?これは……言えないなぁ」
「えぇ、言ってよ」
「怒らない?」
「ん?怒られるような薬なの?」
「…多分」
「んー、じゃあ怒らないから言ってみて」
「…Aが俺のこと忘れられなくなる薬」
「なにそれ、そんなのなくても忘れないよ」
可愛いと思ったが、そんなもののために、ここ1ヶ月も篭ってたのかと思うと、ちょっと腹が立った。
「まぁ、薬に頼ってるような抹本のことなんて少し離れたらすぐ忘れちゃうかもね」
「…うぅ、ごめん」
「…ないと思うけど本当に忘れそうになったら使ってね」
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作者名:ある人 | 作成日時:2021年1月15日 0時