斬島＊任務(2) ページ3
｢斬島、降ろして。｣
｢駄目だ。｣
｢少し遅いけど、1人で歩けるから、斬島は1人で帰って大丈夫だから。｣
｢駄目だ。｣
あの後、斬島の援護をし続けた結果、怪我をし、足を1本折られた。
そして強制的に休ませられ、残りは斬島が全て倒してくれた。
そしてそして、なんと今斬島におぶられている。
''えっ！？おぶる！？何言ってんの！？！''
''足が折れてるだろう。そのままでは帰りづらいから。''
こうして渋々乗ったが、やっぱり恥ずかしいのと、申し訳ないのとでまた拒否をしているわけだ。
そして何度も言ったが、頑なに降ろさないから諦めた。
｢…ごめんね｣
｢構わん。…………女性に、好きな相手に1人で戦わせていた上に、俺の援護もしてもらってせいで怪我をしたんだ。これくらいさせてくれ。｣
｢えっ？｣
今この男、なんて言った？
｢きりし……｣
｢好きな人を守れないとはまだまだだな。もっと鍛錬する。｣
｢…っ！？｣
斬島に何を言ってるんだ、と言いかけた時、館に着き、私はおぶられたまま肋角さんに報告に行き、その後なぜか斬島の部屋のベットに連れていかれやっと降ろされた。
｢……斬島？なんで斬島の部屋に…｣
｢…すまなかった。守れなくて｣
｢えっ……｣
斬島は軍帽を取り、机に置いたあと、私の足の治療を始めた
骨折くらいなら一晩で治るのに、斬島は丁寧に包帯を巻き、固定をする。
その後、その足に唇を落とした。
｢……っ！｣
｢…次は、怪我をさせないようにする。
先刻は、つい口を零してしまったが改めて言わせてくれ。｣
｢お前の、真っ直ぐなところに恋心を抱いた。任務の時や鍛錬している時の真っ直ぐな、綺麗な瞳を好きになった。
今後、この刀と共にお前を助け、お前を守る。
もっと力をつけ、今日のことがまた起きないようにする。
……A、俺と付き合ってくれるか？｣
……名前、私の、斬島だけに教えた、私の生前の名前を斬島が呼んだ。
｢……ひゃい！｣
余りに突然のことに頭が真っ白になり昼間のようにまた顔が熱くなり、噛んでしまった。
その阿呆な私の様子を見て、普段笑わない斬島がくしゃっと笑い、私の唇に斬島の唇が重なった。
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作者名：ある人 | 作成日時：2021年1月15日 0時
