気になるあの人【角名倫太郎】 (ページ3)

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03 腹が減ってはページ3

少し歩くとさっき見かけたエプロン姿があった。

何かを探してウロついている。

角｢もしかしてこれですか｣

『ん？あ！そうそれ！』

エプロンの人は大事そうに食パンを受け取った。

『ありがとう、追いかけてきてくれて助かった』

角｢いえ｣

一件落着したし、もう用はない。

でも気になる。どうしてもあの事が。

角｢あ、あの｣

『ん？』

角｢その食パンってサン、……何に使うんですか？｣

『これ？私の食料。部活の休憩の時に食べるやつ』

角｢食……え？｣

学校に食パン1袋……しかも食料。

普通ならコンビニとか購買でメロンパンみたいな菓子パン系買うだろ。それを食パン1袋って。

ちょっと変わった人だと思った。

『腹が減っては戦ができぬ、だよ』

角｢はぁ……｣

そう残してエプロンの人はまた走り去ってしまった。

…

角｢さっきエプロンの人見た｣

治｢あー俺が昨日見た人か｣

角｢ちょっと喋ったけど変な人だった｣

治｢どう変なん？｣

角｢部活中に食パン食うんだって｣

治｢食パン……てことはフレンチトーストかホットサンド、サンドイッチ、ラスクかクルトンってことも有り得るな……｣

侑｢サムまた飯の話しとんのか。集中せぇよ｣

治｢はいはいはいはい、角名も早よ準備しぃや｣

角｢分かった｣

…………食パンって結構便利だな。