音楽遊戯曲擬小説・3 (ページ3)

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遠い場所、3 ページ3

きたさはその言葉にうんうんと頷く。

はたラク「法整備が進んでるのか、いいことかもしれないが………でもそれは……」

はたラクが苦い顔で考え込む。

まださ「間違いなく諸刃の剣だ」

まださは悔しそうに言う。

博士「それで能力者を合法化すれば、確かに理不尽で望まない能力に苦しむ一定数の民は救えるじゃろう。だが、それによって侵略者の能力も合法化してしまうことになるからの………」

まださ「それのせいで、地球では能力の完全な合法化には至ってないんだ。愛無双もその裁量に苦しんでる」

きたさ「地球で"異能力が原因で戦争"を巻き起こすなんてことにはなりたくないしな。能力の存在自体表沙汰にできない。ろくでもない組織が必ず悪用する」

博士は、三人の話を聞き、全てを納得したように頷いた。

博士「この手記は、守らねばならぬ、なんとしても」

きたさ「革命軍の科学者があなたでなかったら、きっと易々と渡してなどいなかった」

博士「そうか…………あ、お前たち、この研究棟はゲッハの管轄下ではないから自由にしていいが、この棟以外はゲッハの管轄下だ。下手なことしていると消されるから気を付けるのじゃぞ」

まださ「うわぁ、まじかよ」

めんどくせー、わざわざあいつに気を使わないといけねーのかよ………とまださがぼやく。
その言葉に、ここではあいつが法じゃ、仕方あるまい、と博士が諦めたようにかぶせた。

博士「とりあえず、小生たちは小生たちで結託するとして。"小生とお前たちが敵対している"という演技を皆でしないといけないぞ。そのためにも、今日はとりあえずお前たちを調べさせてもらう、まぁ能力に異常がないかとか、ゲッハになにか吹き込まれてないかとかを調べるだけじゃ、ゲッハにはテキトーに結果を云っておくさ」

きたさ「わかったよ、博士」

ここから、きたさ、まださ、はたラク、博士の脱出計画が始まったのである。

登場人物更新

はたラク2000(男)
季曲が失敗したときの代用品として革命軍に囚われていたところ、きたさ、まださと再会する。格闘能力は勿論のこと、相手の神経を麻痺させる"デス・マーチ"も健在だった。きたさたちがいなくなってから、かなり大人っぽくなったらしい。

B.B.K.K.B.K.K.=博士(男)
革命軍幹部四天王。Brain Powerこと西園ノマの後任で、正しいことに使われると信じて研究を重ねていたが裏切られた。きたさたちに助力するため単機で革命軍に乗り込んできた。