改造人間とその使い手 ページ7
「うんー。逃げちゃったの。その兵器はね、次期支配者様の専属兵器になる予定だった。だから幼少期から次期支配者様と共に過ごさせた。そしたら、次期支配者様と兵器が逃げちゃったんだってぇ」
パノプ「ふん、ざまぁ見るんだな」
「あれから10何年も経つ。今も当時のお世話係だったヒトが次期支配者様と兵器の行方を追ってるんだけどね、見つからないんだって。まぁ、10年以上経ってるし、顔も変わってるだろうしね、無理だと思うんだけどなぁ……」
パノプ「２人の特徴はどんなのなんだ？」
「次期支配者様のこと？ボクも昔に聞いただけだから詳しいことは解らないけどぉ。物凄く美しい顔立ちで、何でも腐食させることができるんだって。小さいころからそんな破壊の能力に恵まれていた次期支配者様を現支配者様は羨ましがってたよ」
パノプ「……そうか。兵器は？」
「兵器はね。基本的に破壊が全てという思考になるように「プログラミング」されていて、機械と植物を調和した様な能力を使う。でも、機械と殺戮の遺伝子を埋め込んでいるから別の姿にもなれる。ま、彼は「力こそ全て」と考えるようにさせられているから、苦しかろうね。ま、ボクはそんな犠牲気にしないし、気にもならないけど」
パノプ「…そんなことが、許されるとでも思っているのか」
「いいや？でもね、ボクたちのことは軍警も摘発できないし、チュウニズムの連邦軍が総力上げてかかってきたところで返り撃ちにできるくらいの兵力はある。ま、チュウニズム連邦軍の最高指導者のインド人がどう動くかなんて知ってても知らなくてもボクたちの勝率には関係ない」
パノプ「……」
「キミはキミの仕事をこなせばそれでいいんだよ」
ガラクタに絶望を見せてから、キミのお父様はちゃんと返してあげるから、ね？
その言葉に、まだ幼いパノプは頷くしかなかった。
――――――
登場人物更新
Panopticon(男)
幼いながらに世界の心臓である「全方位監視システム」を任された少年。革命軍に捕らわれており、革命軍幹部という要らない肩書きを持った上、地上の人間の大量虐殺を余儀なくされていた。影を操り、自身の護衛や攻撃ができる。
The wheel to the right(男)
ただのおっさんに見えたが、その正体はチュウニズム連邦軍最高指導者。過去に空中要塞ボルテ帝国と戦争した。革命軍の動きを予測しており、前々から警戒していた。武器であるチェーンソーで平行世界への穴を開けられる。
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作者名：キテレツ | 作成日時：2018年3月8日 9時
