1つしかないものを奪う ページ6
人形は嗤う。
「だって、キミは力を使ってみたい。ボクはキミの力を革命軍の勝利の為に利用したい。どちらも能力を使いたいっていう望みはかなってるよね？だからボクはキミに「革命軍幹部」の称号まで与えたのに……ネェ？」
パノプ「幹部などという階級は要らない。大佐がどうとか、次期支配者のことも現支配者のことも興味など無い。もう地上の人間はたくさん殺したはずだ。こんなことに能力は使いたくない。早くお父上を返せ」
「ボクに口答え？まぁ、幹部サンだし、ボクよりも階級は上かぁ。返してほしかったらボクじゃなくて、支配者様に言ってほしいなぁ。キミのお父さんも優秀な影の能力の使い手。故に支配者様が強力な「兵器」として欲しがってた。だからボク、キミに美味しい話を持ち掛けちゃったの」
パノプ「……革命軍とはなんなのだ」
「能力者の集団だよ。支配者様とその血族に当たる次期支配者様の理想を現実のものとする為に動いてる」
パノプ「その目的は何だ。お前らにも利益のあるものなのか？」
「それはね、ガラクタ。彼と彼の周りの組織全てを殺すこと。ボクもそうなんだけど、革命軍は過去にガラクタによるmaimai世界消滅作戦によって大きな被害を被った能力者の集まり。あとは、個人的に恨みを持ってる人もいるけど…。今のガラクタたちが掲げる世界平和論は平和ボケしすぎだ。ボクたちが「戦わずには生きてなんていけない」ってことを教えてあげるいい機会かもねぇ？」
パノプ「……くだらん。彼等のSYNKは美しい。それを簡単に壊すことなどできまい」
「まぁねぇ、最近この世界にやってきた伝承の２人組もガラクタ側に付いた。戦況は厳しいよ。でもねぇ、キミとキミのお父さん、そして2つの革命軍独自開発の人間兵器を使えば一発で逆転できるけどぉ？」
パノプ「人間兵器！？貴様ら、人間を改造したのか！？」
「あったりまえでしょお？使えない人間は兵器に改造して使う。たくさんの人間が「誤作動」を起こして死んだけど、唯一２人が好反応を示したから、武装して戦争に使うことになったんだけど、１人逃げちゃってさ。もう１人は冷凍保存した。今は壊れて動かないから修理が必要だし」
パノプ「逃げた……だと？」
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作者名：キテレツ | 作成日時：2018年3月8日 9時
