2000の邂逅、2 ページ42
はたラクは牢獄の隅にあるボロ付いている机と椅子に案内した。3人が座れるほどに耐久はあった。
はたラク「どうしてまた此方側へ？」
きたさとまださは答えない。きたさは足が震え始めた。
はたラク「………答えられないように仕掛けが施されているのか？」
それにも二人は答えない。
はたラク「此方側からお前たちの世界に行くための研究は進んでいる。現に数年前、どこの世界か解らないが、その研究の先駆者として、地球に軍隊を派遣した世界があるそうだ。だが、此方側へとまた来れる保証はない。そのうえその世界ではその研究が原因で大騒ぎだ。……極秘の研究だったんだろうな。…………それなのにお前たちはまた此方側へとやって来た。何故だ？」
二人の息が止まりそうになった。
まださ「………本当のことを、話す」
きたさ「まださ！それは………」
＿＿＿＿＿約束を破ることになる。その言葉をきたさは噛み締めた。そしてその直後の「彼等」の言葉を思い出した。
＿＿若し、本当に信頼できる仲間がいるのなら、助力を求めてもいいんだ。あの世界は最早修羅の世界。二人だけで生きていくにはあまりにも心細い。だからこそ俺たちは一人で生きていくのではなく、隊長の元に集い、＿＿＿＿を作り、今まで行動を共にしてきたのだ＿＿＿＿
＿＿＿＿、全ての世界を敵とし、味方とし、決まった組織に正式には属さない彼等。その彼等の願いが、俺たちなのだ。
きたさ「話します。本当のこと」
はたラク「………矢張何か隠していたか」
まださが、その重い口を開いた。
まださ「………俺たちは、『ある手記』をこの世界にいるたった一人の科学者に届けるためにこの世界に送られてきた使者だ。しかも、今回は俺たちは『俺たちが望んで』この世界にやってきた。無理矢理来させられたわけじゃない」
はたラク「なんと…………」
はたラクは絶句する。
きたさ「しかもその科学者は革命軍の一人なんだ…………。俺たちはある意味では『革命軍の使者』なんだよ。もしかしたら俺たちは革命軍の味方なのかもしれない。…………許してほしい」
まださ「でも、こうして捕まったということは、俺たちが革命軍の要人に手記を届けるという連絡はこちらに来てない。ま、地球の状況でこうなるとはとてもじゃねぇが思えない。革命軍の使者なのは間違いねぇが、味方として認識されてねぇのも間違いねぇわな」
はたラク「…………」
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作者名：キテレツ | 作成日時：2018年3月8日 9時
