2000の邂逅、1 ページ41
きたさ「……………」
まださ「……………」
薄暗い牢獄に、きたさとまださは元の人間の姿に戻されてぶちこまれた。動き回ることを主体とする二人は、10分もしないうちにストレスが溜まり始めた。
きたさ「腹立つ。ゲッハって奴、治してくれたのはいいが………兵器にされるとかないよな？」
それにはまださは、望み薄だな、と残念そうに答えた。
まださ「最強格の俺たちだ。治してぴんぴんにしたのに、兵器にしないわけないだろ」
「その通りだ。二人とも」
きたさとまださが座っている場所の更に奥から声が聞こえた。
きたさ「おま…………え…」
「大人びたな、見違えるようだぞ、きたさ。お前もきたさと一緒にいたんだな、まださ」
まださ「はたラク2000、か…………？」
はたラクは、懐かしい響きだな、と立ち上がり、きたさとまださの隣に移動し、腰かけた。
彼自身も少し『青年』から『大人』に顔立ちは変わっていたが、雰囲気には昔の香りが残っていた。
はたラク「本当に久しぶり。そして再びようこそ、音ゲーの世界へ。きたさいたま2000、まださいたま2000。お前たちが帰ったあと、やはり皆思いは同じだった。お前たち二人が帰ってくるという望みを捨てきれずにいたんだよ。特に、≠MMは」
きたさ「俺たちも、またここに来られるとは思ってなかった。しかも、こんな無様な形で………」
きたさは歯痒い思いをぐっと抑え込んでいた。こんな、こんな捕まったという惨めな状態ではたラクに会うことになるなんて。
しかも、その辺の曲ではない、元々生活を共にし、戦いですら共にした、2000一族のはたラク2000に会うことになるなんて。
まださ「はたラク、俺たちは捕虜だ。そしてここにいるってことは、お前も」
はたラク「やらかした。季曲を奪われた。季曲は、自分がガラクタの勢力を全滅させないと、俺が処刑されると思ってる。酷い洗脳………呪いだ」
こんなところ、指一本で脱出してやりたいのに………とはたラクは辛そうに言う。まださはなんとなくは察していた。突如としてmaimai世界に現れた季曲。そしてはたラクの言うことをちゃんときく聡明な季曲のあのゲッハへの忠誠心。その度合いからしてバックにはたラクがいるとしか内心思えなかった。
はたラク「きたさ。まださ。お前たちは、どうしてここへ来たんだ」
はたラクの質問に、二人は答えたくなかった。
それが二人がこの世界へ来て隠している一番の秘密だった。
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作者名：キテレツ | 作成日時：2018年3月8日 9時
