家族は甘え、2 ページ31
パノプは宝石から修復した腕のリハビリをしていた。まぁまぁ動くため、明後日くらいには前線に戻れそうだ。
そう考えてしまっている時点で、自分はガラクタの派閥に入ってしまっているのか、とパノプの頭には靄がかかっていた。
少ししたら、ウェルが2人分のカレーを持ってドタバタと入ってきた。
ウェル「パノプー！ゆーごはん！ウェルも一緒でいいよね！」
パノプ「ウェル！勿論いいよ！一緒に食べよう！」
ウェル……兄のような、いいや、弟にも見える存在。大人びたところもあればこうして、自分よりも幼い子供を彷彿とさせるような一面もあるのだ。
ウェル「システムさん特製だってさ！パノプの好きなピーマンクソほど入れたからってシステムさん言ってたよ！んー、おいしー！」
パノプ「げ、ホントにいっぱい入ってんじゃん、お前僕の好物教えたのか！」
ウェル「折角だもん、元気になってほしいなって！」
パノプ「うわぁ………」
ホントに、家族みたいだ。不思議だ。この人たちとは何の血の繋がりもない。
パノプ「ごちそうさま。システムさんにありがとうと伝えて欲しい」
そのあとも、ウェルはお風呂だよ！とか、面白いテレビやってるよ！とか、事あるごとに僕の部屋まで来て、そして僕の部屋で寝落ちた。
パノプ「凄く動く子なんだな……僕と見た目の年齢はそう変わらなかったから15歳くらいなのかなと思ってたら、もうこれで50000年も生きてるのか………辛い思いたくさんしたんだろうな」
ウェルの透き通る髪の毛を見ながらそう呟く。この子もまた、自分と同じ神の子という組分け。
陸と同じように海にもまた神は存在すると父親からは聞いていたが、本当にいるとは。
しかも、こんな幼げな子が、ひとりぼっちになって。
パノプ「………深く考えても、もう疲れるだけなのかもしれない……」
もうしばらく深追いは端に置いてしまおう。
_______ノプ……ル………パノプ……パノプ、ウェル！
睡眠時間も余りとれないまま、僕たちは起こされた。そこにはえらくひきつった顔をしているシトラス。
ウェル、パノプ「はい！なんでしょう！」
シトラス「今外できたさとまださがやりあってる。お前らはなるべくここから出んな。俺も中を固めるから。それとマイティがいたらのほほんとしてないで俺と合流しろとでも怒鳴っとけ」
パノプ「は、はぁ」
なんか忙しくなっているようだ。シトラスはバタバタと出ていってしまった。
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作者名：キテレツ | 作成日時：2018年3月8日 9時
