革命軍の季曲、4 ページ27
パノプ「嘘だ……」
パノプの腕が、ゲッハの触れたところから宝石へと変化した。
そのままパノプはごとりと倒れる。
ゲッハ「ごめんね、僕の能力はね、触れたものを宝石にできるの。汚れきった君達でも、僕の能力で美しくなれる。実に素晴らしい能力だよ」
パノプ「ふざけるな、汚れた貴様の能力で変化した腕の、どこが美しいというんだ！」
パノプは宝石と化して鋭くなった腕をゲッハに突き刺す。
ゲッハ「………そういう使われ方もするよね。宝石は美にも剣にもなる」
宝石を腹に刺されたゲッハだったが、本人はそこまで焦りもせず、涼しい顔でパノプを見下ろしていた。
ゲッハ「ごめんね、そんなんじゃ僕の身体は壊れないみたいで」
______とある科学者が身体強化の薬を開発したんだ。それを飲んでいるに決まっている。君も飲んだものだ。どれくらい強化されるかは分かっているだろう？パノプ？
パノプ「その程度分かってはいるが………」
パノプが腕を抜く。ゲッハの傷口からは血が流れず、直ぐに身体を宝石で修復していた。
ゲッハ「じゃあ僕、そろそろ帰りたいんだ。他の子も待ってるし」
ウェル「他の子ってまさか、季曲以外にも被害者がいるのか！？」
ゲッハ「被害者、かなぁ？望んでこうなる子もいるし、そりゃあ、少々強引にこうしたこともあるよ。季曲は後者だ」
ウェル「やっぱり季曲は望んでそうはならなかったんだ！人質もいるって言ってたし………この子をどうして此方側に連れてきたんだ。ウェルたちとそうは変わらないような子だぞ！？」
ゲッハ「強いから。強いし能力が有能だ。強化すれば戦闘に非常に使えると見た。パノプ、君とは違ってね………」
ゲッハは悔しそうに自分を見上げるパノプを蔑むように見下ろす。
パノプ「僕たちは貴様らの味方にはならん。貴様らがしていることはどの世界でも許されない」
ゲッハ「そうかもね。………僕から逃げた2人は、聡明だったのかもしれないね。でも…
ウェル「2人？」
ウェルがゲッハの話を遮り、「聞き捨てならない言葉」を聞き返す。
ゲッハ「そうだね、逃げられてしまったのだよ、僕に代わって次期の王になる者と、その者に与えた新兵器に」
まぁ、彼等の世話をする者が捜索しているから問題はないけどね、とゲッハは笑う。
パノプ「だから季曲も解放してやれよ…」
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作者名：キテレツ | 作成日時：2018年3月8日 9時
