革命軍の季曲、1 ページ24
ウェルたちは完成していた。
SYNKは間違いなく通った。
でも、お互いの身体はそう長くはもたない―――――
現にパノプの身体に細かいヒビが入り始めている。人肌にもろに走るヒビが、限界までの時間をより顕著に表していた。
キングはそれを嘲る。
キング「かわいそ。ここまでしないと戦えないなんて」
ウェル「ここまでするほどお前たちが道理から外れているのだ」
「そうでもないだろう？現に多量虐殺者を擁護するという道理から外れたことを君たちもしている。お偉い、「カミサマ」ともあろう者たちが」
パノプ「では、その「多量虐殺をさせた」のはどこの誰だ？」
ウェル「お前たちの先祖だ。末裔である君たちにこのような報復の形を取る等本当はしたくなかったのだ。それでも、お前たちは我々の領域をも踏みにじった。黙って地上も地下も海も昔と同じような生活をしておけばよかったものを」
キング「まぁね、でも君たちもそれなら関係ないんじゃない？オレだって生きてないし、君たちみたいな見た眼の子供だって、その当時は生きていないだろう。ならばお互い忘れていけばよいのでは――――――
話している途中のキングの胸に槍が飛んだ。
――――――ウェルの槍だ。
ウェル「「僕」が何年生き続けていると？」
キングは胸から腹にかけて突き刺さった槍を抜くと、「失礼」と一言云い、槍をウェルに投げ返した。「既に全快しているのか、傷口からは一滴も血が流れていなかった」
そして少年に目で合図する。
「君たちを半殺しにして捕獲せねばならなくなった」
パノプ「やれるものなら、といったところだな」
「僕の名前は季曲。総帥に頼まれてここに来た革命軍専属の戦力だ」
ウェル「季曲！？聞いたことあったけどずいぶん大人に――――――
ウェルに季曲の刃が飛んだ。ウェルは2つに斬られたかと思いきや、水となって溶けていた。
ウェル「……そか、太鼓界から」
季曲「知っているのか」
パノプ「ごくろうさんなこった」
パノプが影の腕を出現させ、逆に季曲を追う。
キングはいつの間にか撤退したのか姿が見えない。
ウェル「……遊ばれてるね」
ウェルの槍と季曲の刀がかち合う。
やはり相当な力をもってしても「未来が見える能力」は手厳しい。
季曲の目には、何が映っているのか。2人には解らないままだ。
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作者名：キテレツ | 作成日時：2018年3月8日 9時
