地下都市、6 ページ18
ウェル「ガラクタさんも、そうしていれば世界各地に軍隊なんてできなかった」
ガラクタもまた大虐殺を起こした。
それが今のチュウニズム連邦の軍隊、ボルテ帝国の対宇宙軍、太鼓界の傭兵、そして革命軍などを生み出してしまった。
パノプ「でも、もう僕の願いはかなわないから」
パノプはベッドからするりと降りると、窓から外に逃げ出した。
ウェル「あ……」
僕、またダメなこと言っちゃったのかな………。
パノプは太陽の光が差す地上を歩く。地下都市には人工太陽しかない。本物を見たことは片手で数えるほどしかなかった。
周りの人間が怪訝な目で見る。全身黒ずくめのパノプは、怪しまれて当然だった。
ただでさえ影(パノプなのだが)の脅威にさらされているわけだ。このような異質なものは当然怪しまれる。
「ハァイ、裏切り者の少年よ」
パノプ「誰だ、貴様」
ガラクタと同じような道化師の服装をした青年がパノプに声をかけてきた。
「裏切り者」と言ってくるあたり、革命軍だろう。
「オレは革命軍の四天王の１人、「KING IS BACK！」だ」
パノプは身構える。
キング「今日はね、キミに嫌がらせしに来た」
パノプ「いやがらせ？」
キングはそう言うとニタニタ笑う。しかし、目線はパノプではなく周りを気にしていた。
パノプ「？」
急に、地面からナイフが突き出た。
パノプ「は！？」
パノプは影で身体を持ち上げて空へ逃げる。
キング「うふふ、それだけだよ」
キングはニコニコ笑うと影で浮いたままのパノプを置いて去っていった。
パノプ「なんなんだあいつは」
グロリオス「アイオロス！アクセリア！」
パノプの静寂を割るように３人がパノプに一斉攻撃を仕掛ける。
パノプ「がは……ァッ！？」
まさか
アイオロス「本当に影ってちびっこだったんだ！」
嫌がらせとは
アクセリア「でも、私たちを長く苦しめた。実力は非凡よ」
まだ誤解が晴れていない自分の能力を人間に見せることによって「革命軍のハンドウェア」を汚さずに同士撃ちさせることか!!!
パノプ「正体はばれている……しかし今の僕には人形の能力はない」
つまりは、影だけで、この３人を……
グロリアス「行くぞ、影とやら」
それが、僕への罰か。
大罪を犯した無力への
今まで僕のせいで死んだ何万の人間を考えれば
今の僕は
限りなく安い
パノプ「……来い」
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作者名：キテレツ | 作成日時：2018年3月8日 9時
