そして、少年王らは出会った。 (ページ16)

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episode 16 ページ16

だんだんと、ユグノの歌がフェードアウトしていく。

全員が魂の歌に圧倒され、その余韻に浸っていた。

はっと我に返ったチャグムが声を上げる。

「ユグノ、これで本当に言葉が通じるようになったのか？」

すると、

「！！」

パルスの人々が顔を見合わせた。そして、銀髪の青年＿＿アルスラーンが口を開く。

「確かに通じている。あなたがなんと言ったか、ちゃんと分かった。私の名はアルスラーン。歌物語を聞いているが、あなたがたの名は……」

「失礼した。私の名はチャグムという。」

二人の王の自己紹介をきっかけに、一斉に自己紹介が始まった。

だがただ1人、シュガだけはずっとそわそわしていた。それを見てユグノが声をかける。

「大丈夫です、新ヨゴ皇国にはトロガイが残っているのでしょう？すぐに戻れるわけではありませんが、必ず帰れます。それまで、休暇をとったつもりでゆっくりしてはどうですか？どうやら今日は、宴になりそうですよ？」

ユグノの言う通りかもしれない。こうなってはどうしようもないし、きっとトロガイ師なら何とかしてくれているだろう。

シュガは腹を括り、しばらくの間この珍しい体験を楽しむことにした。