検索窓
今日:5 hit、昨日:52 hit、合計:375,616 hit

19*昼下がりの微睡み ページ20

弓道場でお昼を食べるのが英との日課になっていた。
陽もあたって暖かくて、人の出入りが皆無の為に屋上よりイイと英は気に入っている。


「もうすぐインハイの予選があるけど、A観に来ないの?
及川さんフルで出ると思うけど。」


「…行きたいけど、ファンの人もいっぱい来るよね?
それに誘われてないから…」


「…ふーん。
なら、俺の事観に来なよ。」


「英、バレーでちゃんと動くの?」


2週間くらい一緒にすごしているけど、印象と言うか…この人は無駄に動きたくないんだろうな…と常々思っている。
今も弓道場でもゴロゴロしてたり…


「Aが来るなら頑張ってもいいよ?」


「行かなくても頑張ってよ。」


「やだ。来て?」



大きな身体が覆い被さってくる。
床に押し倒されて、頬を撫でるからキスするんだと目を閉じた。

真っ暗の中でも笑う気配を感じ、唇に触れた熱にこちらも応える。



「照れなくなってきたね。」


「ん…」


触れられた耳にキスされて、ぞわぞわとして思わず英のYシャツを掴んでしまう。

ゆっくりとそっと開いた目には柔らかく笑う顔が映るから思考を奪われていく。


舐められた首筋とブラウス越しに触れられた事に口から漏れた矯声は口元を手で隠すでしか封じられない。


「A可愛い…」



外されていくブラウスのボタンに抵抗するとその手は止まり、私から離れていく。


「…英?」


「ごめん。無理にする気は無いから。」


「…私こそ…ごめんなさい…」



何に付いての謝罪かはわからない。
虚をつかれた様な気分に、自らボタンを留め直す。

英はごめん、と私の頭を撫でて先に弓道場を出ていってしまった。

20*青城大かくれんぼ→←18*虚偽の弁論術



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (391 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
754人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 及川徹 , 国見英
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

赤羽 - ストーリーの繋がり方神、!!一気読みしてしまいました! (1月17日 21時) (レス) @page50 id: 2ddbce4d83 (このIDを非表示/違反報告)
藤冬(プロフ) - 全員の感情の表し方とか、セリフとか選択とか、全部が好きで、ストーリーにどんどん吸い込まれていきました。こんな素敵な作品を、無料で読ませていただき、誠にありがとうございました。 (2022年3月22日 19時) (レス) @page50 id: 2d51c5e453 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 面白かったです!!お疲れ様でした! (2020年2月19日 21時) (レス) id: 766242871c (このIDを非表示/違反報告)
くるみ - 完結お疲れ様でした!夢主ちゃんもクズだったのが笑えました!!これからもがんばってください! (2020年2月19日 20時) (レス) id: db0ac314d3 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - しぃらさん» 最後まで読んでくれてありがとうございます。後半は私自身も書いて消してと結末に凄く悩みました。演技派でクズな夢主ってウケ悪いかなと悩みましたが、喜んでいただけて私も嬉しいです。 (2020年2月19日 20時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:モカ | 作成日時:2020年2月7日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。