22 ページ22
配色の少ない俺と似た部屋。
ベットの上。
首と手に鎖。
俺は囚人か。
これは裕翔の家のベッドルームだ。
何故ここに？しかも何故括られている？
答えは望まずともいずれ分かってくるのだろうから考えない事にした。
やっと、裕翔とより距離が深まるって思ってたのにな。急にこんなことされるとはな。
ｶﾞﾁｬ
「おはよう伊野尾くん」
篠崎が部屋に入ってきた。
逃げなければ。
本能が外へ出ようとしている。だけど、ここで逃げて何になるんだ。鎖がついているからそう簡単に逃げられるわけが無い。しっかりまずは考えないと。
「何の用」
「今日から伊野尾くんのお家はここになったよ。どう？この小屋は？」
「小屋じゃない。裕翔の家だ。お前何勝手に入ってるんだよ」
グイッ
「…っ」
篠崎に首輪を引っ張られ距離が一気に縮まる。
「何その口。伊野尾くん立場分かってないよね。今日から伊野尾くん、わんちゃんに逆戻りだからね？」
「…は？」
何言ってるんだこいつ。だってここは裕翔の家。裕翔は篠崎の事嫌ってたはずだ。俺から守ってくれていたはずだ。
「伊野尾くん選んだんでしょ？俺を。」
「…？」
「思い出してみなよ。裕翔くんちゃんとチャンス与えてるよ？」
…何のことだ？
思い出してみる。
ー『勘のいい伊野ちゃん、選ばせてあげるよ』ー
ー『俺と俺以外。どっちを選びたいの？』ー
インターホン越しに裕翔に言われた言葉。
俺はその時どちらも選ばなかった。
これが、裕翔と篠崎が手を組んだ理由…？
もしかしなくても、俺のせい？
「思い出したみたいだね」
「俺は裕翔も他も選んでない」
「裕翔くん以外はみんな同じだろ。それとも、他に飼って欲しい人が居るの？」
篠崎はニヤリと俺を見る。
こいつの波に決して呑まれてはいけない。
自分を恐れずに、忘れずに。
強く、ならなければ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 147人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くま(プロフ) - 伊野尾 稀徠さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2018年3月11日 0時) (
レス) id: bc6d34d2eb (このIDを非表示/違反報告)
伊野尾 稀徠 - とても面白いですこれからも頑張ってください (2018年3月10日 21時) (レス) id: 14c2650ddd (このIDを非表示/違反報告)
くま(プロフ) - ゆうみさん» かなり長かったでしょう…笑笑ありがとうございます！ (2018年2月11日 7時) (レス) id: 7736ce47cf (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - 一気に読みました！続き楽しみにしてます！更新頑張ってください！ (2018年2月10日 10時) (レス) id: 5564a3435c (このIDを非表示/違反報告)
くま(プロフ) - 、さん» すみません(>_<;)外します。 (2018年2月6日 6時) (レス) id: 0ea2e9555b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くま | 作成日時：2018年2月6日 0時
