第一話 ページ2
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私の瞳の前に鳥が舞う。光る、鳥が。夢の中と同じもので、夢と同じように、私を連れ去ろうとする。その輝きが、とても綺麗で見惚れた。
「さくら?」
いきなり立ち止まった私を不思議そうに見る小狼くん、首をふってううん、何もないの、そう言って心配をかけないように笑いかけると顔を赤らめてそっぽを向く小狼くん。あの頃とは違ってその理由が分かってしまう私は照れ屋さんだねと笑うとうっせ、と更に顔を赤くするのを、くすくすと笑うと気に触ったのか先に行ってしまう。待って、と言って追い掛けて横に並ぶ。この人は知らない、私がもうすぐこの世界からいなくなることを、だから伝えておきたい。
「小狼くん」
「なんだよ」
「好き」
好き好き、大好き、そう言うと怪訝そうにどうしたんだいきなり、と返されたのでただなんとなく、思ったから、そう言うと俺も、と顔を赤くさせ
「愛…してる。」
そう言ってくれた。
それが嬉しくて顔が綻ぶ、でもね、
「もう、行かなきゃ」
「え?どう…」
どういう意味だ、そう言う前に私は駆けだした。小狼くんに追いつかれる前に。
走る、走る、走る
私の周りに光る鳥がうず巻くように舞う、やがてそれは私を覆い隠し、逃がせまいとする。後ろで小狼くんの声が聞こえた。でもその頃にはもう私は、
光る鳥と共に消えていた。
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HARU(プロフ) - 音宮あおいさん» コメント有難うございます!最近忙しくてお話のほうも不完全燃焼が多くなって手抜き感がじわじわと広がっていくと思いますが、これからもよろしくお願いします(*´ω`*) (2015年10月4日 17時) (レス) id: 1ddf4d0ed1 (このIDを非表示/違反報告)
HARU(プロフ) - リンさん» はい頑張ります!!第二部のほうもちびちびやっていきますので、これからもよろしくお願いします(*´ω`*) (2015年10月4日 17時) (レス) id: 1ddf4d0ed1 (このIDを非表示/違反報告)
音宮あおい(プロフ) - はじめまして。さくらちゃんの本音がリアル過ぎて泣けてくるし、そんなさくらちゃんの心の支えになってくれてるケロちゃんが可愛すぎます!更新頑張ってください! (2015年10月1日 19時) (レス) id: e83c49882d (このIDを非表示/違反報告)
リン(プロフ) - ずっと更新待ってました!続きがきになります!更新頑張って下さい!楽しみにしてます(*´ω`*) (2015年9月24日 23時) (レス) id: 3f318786d5 (このIDを非表示/違反報告)
HARU(プロフ) - 刹那さん» 私の小説を面白いと言ってくださる方がいるなんて…!歓喜極まります(*´ω`*)読者様のおかげで第一部完結することができました!レス遅くなってすいませんです…。 (2015年9月20日 20時) (レス) id: 1ddf4d0ed1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HARU | 作者ホームページ:http://artemis
作成日時:2014年4月4日 3時