彼女ガ思イシ幸セハ

五話 ページ7

フェリスside



リリアちゃんを任せて､
約束の場所へ向かう｡



ユ｢ああ､フェリスか｡｣




ユリウスが先に来ていたらしい｡



そして､その隣には…



ラインハルトの姿があった｡



その苦しそうな姿に､胸が チクリ と痛む｡



フェ｢ラインハルト…?｣



問うような声音で名前を呼ぶ｡




｢(私は､"事情を知らない人"なんだ｡)｣




自分に強く言い聞かせる｡




ラ｢フェリス､か｡｣




全く､嘘が上手い自分が憎たらしい｡



下手だったら
『バレた』なんて言い訳が出来たのに｡



フェ｢うん｡ね､どうしたの?｣



ラ｢リリアと別れた｡
　別れようって言われたんだ｡｣



力なく微笑むラインハルトに､
演技で応じる｡



我ながら最低だな､と思う｡



でも､
リリアちゃんを裏切る訳にはいかない｡



クルシュ様にも事情は言っていないから｡



共犯者､なんだ｡



フェ｢ッ!?そっ､か…｡｣




ラ｢でも､僕に彼女のしたい事を
　止める権利なんかないから｡｣




"ねぇ､リリアちゃん｡
ラインハルトは､
黙っていても傷付くと思うよ｡"



必死な彼女にこんな事言えない｡

　

でもさ､一つだけ言わせて｡



ホント､似た者同士だよネ｡



フェ｢あ､クルシュ様のとこに行く時間だ｡
　 ………じゃあ､ネ｡｣



ユ｢ああ｡｣



ラ｢…うん｡｣



ラインハルト…ごめんネ｡



フェリちゃんは､話せない｡



話せるわけがない｡



友達を傷付けたのは､誰?




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
no side



誰も､悪くない｡



誰一人として悪くない｡



病に侵される彼女は､
愛しい人を悲しみに沈めたくなかっただけ｡



猫耳の騎士は､
主人と患者の期待に答えたかっただけ｡



赤髪の英雄は､
愛しい人と一緒にいたかっただけ｡

　

ただ､
互いを思う優しさが噛み合わないだけ｡



それだけだったのに…



．




．




それらの優しさは､
相手に深い傷を与えたのだ｡




．




．



これを"悲劇"と呼ばずになんと呼ぶ｡




それでも､その全てに"愛"はあった筈＿＿＿




．

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• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

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