【完結】氷点下の太陽 [F.K] (ページ10)

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「…そう。」

愛想の悪い返事を返した。

「別に言いたくないなら言わなくていいけど、柏崎さんも苦手でしょ？そーゆーの。」

「…。」

「言いたくないなら言わなくていいよ。なんとなく思っただけだし。」

黙った私にもう一度そう言ってくれたけど、私は口を開いた。

「考えたことなかったけど。もしかしたらそうかもしれない。」

「そっか。やっぱり。」

今朝みたいに体調が悪くなることがよくあった。

いつからだろう。たぶん中学生くらいの時から。

貧血か、頭痛持ちなのか、単純に身体が弱いのか

めんどくさくて病院にいってなくてそのせいで、今日はこんなにヒドイことになったんだと思ってた。

だけど、私はそういうモノを見ると体調が悪くなるのかもしれない。

恋とか愛とかがあまり得意じゃないのはずっと認識していたけれど。

「大変ですね。菊池くんは。」

「なんで？」

「モテちゃうから。自分が苦手な感情ぶつけられるって。今朝も。」

「うん。」

その分

私はモテなくてよかったかもしれない。

「恋愛恐怖症って言うか…恋愛嫌悪なんだと思う。ってか興味がないのに、そーゆーの興味ねぇって言ってもあいつらは『そんなことないでしょ』って俺に勝手に感情をぶつけてくる。」

「うん。」

「知らないよ。ほんとに。恋愛なんて。」

「うん。」

周りからはどう見えるかは知らないけど

菊池くんは本当にそれで苦しんでいる。