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「書いとかないと…わかんないですよ。この髪色はチョコブラウンですって。」



「書くって…どこに?」



「髪の毛にです。」



「え、髪の毛?」



少し考えたような仕草をしたダークブラウン…じゃないチョコブラウンくんは



「髪の毛って…プッ!」



大きな口を開けて笑っていた。



「え、なんでそんな笑うんですか。」



私と君が会話をしたのは今日が初めてじゃないか。


なのに急に笑われて…失礼だ。この男は。



私は少し怒っている。急に笑い出したこのチョコブラウン…いやもうダークブラウンって呼んでやる。




「柏崎さん…それ本気で言ってるの?だってなんで髪の毛に文字書くって言う発想になるわけ?」



私はなんでそれで君がそんなに笑うかわからない。



「そんなに笑うことですか?」



ダークブラウンくんの笑いは収まりそうにない。



「柏崎さんは?何色なのその髪。」


「ハニーブラウンです。」


「そっか。ハニーとチョコで甘そうだね。」


「…なにそれ。」




私も思わず少しだけ笑ってしまった。失礼だったかもしれない。




「ダークブラウンさん、早くお弁当食べないとお昼終わりますよ?」



そこでやっと笑っていたダークブラウンくんの笑いが収まる



「…チョコブラウンだし…って柏崎さん俺の名前覚えてない感じね。」




図星。図星中の図星。ストライク。


そこを突かれてしまった。



名前を覚えてないないなんて言ったら、笑うより失礼になる。




なんとかして誤魔化さなくてはならない。





「そんな難しい顔しないでよ。菊池風磨って言います。」



私に助け舟を出してくれたのはダークブラウンでもチョコブラウンでもなく菊池くん



「菊池…風磨。」



「そう。柏崎さんは…名前、Aだったっけ?」



「そうです。」



「よろしくお願いします。」



律儀に手を差し出した菊池くん。



高校に入ってからこんなにちゃんと誰かに「よろしく」されたことなんてないし



誰とも「よろしく」しないで生きていこうと思っていた。






でも、私は目の前に差し出された手に自分の手を重ね




「よろしくお願いします。」




と言っていた。




日本人的な考えて差し出された手を振り払うことはできないと考えたのか、
本当に「よろしく」と思ったのかわかんないけど





入学して1か月



私は初めて誰かとした「よろしく」



よろしく。たった4文字。

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設定タグ:菊池風磨 , SexyZone , 二宮和也   
作品ジャンル:タレント
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作者名:日向(ひなた) | 作成日時:2018年8月8日 19時

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