◆ On the Way to Truth ◆ -あらし- (ページ8)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:1,143 hit

-８- ページ8

･

あれから数週間が経って

初夏の陽射しが強くなった最近。

･

私は毎日毎日、捜査、捜査。

当時の捜査資料から新聞記事まで

あらゆるものに目を通して調べまくった。

いくつか気になるものはあったが

手がかりにはならなそうだ。

まだまだ資料は山積み。

先が思いやられるわ。

･

でもまぁ、

こうやって捜査できることに

感謝しなくちゃいけないわね。

忙しいって有り難いわ。

もともと真実を突き止めて

お兄ちゃんたちと一緒に

灰色の世界から抜け出すために

刑事になったんだからね、私。

･

つーか、絶対シワ増えたわ。

刑事、松本仕事のし過ぎよ。

これぞ職業病ってやつかしら？(笑)

･

ブラックコーヒーを啜りながら

パラパラめくった捜査ファイル。

･

貴｢っ、これって･･････････｣

･

そこに印刷されていた写真に

私の目は釘付けとなった。

･

･

一本の黒い毛。

いや、人の髪の毛に違いない。

その写真の下には

『被害女性の右肩付近に付着。

人間の毛髪であることを確認。』

という当時の捜査員の文字が刻まれていた。

･

当時のDNA鑑定は曖昧。

でも今は？

正確そのもので、99.9％の確率でヒットする。

ってことは、

この髪の毛のDNAに一致する人物こそ･････

･

私の心臓は破裂しかねない勢いで動き始めた。

呼吸が乱れる。

私は武田警部のデスクに

資料を握り締め走った。

･