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貴 ｢な、に？｣
私は震える声を絞り出す。
潤 ｢何が？｣
貴 ｢何で、来たのっ･･･｣
潤 ｢お前こそ何で逃げてんだよ｣
･
こっちが質問したのに････。
お兄ちゃんの低くて小さな声が
2人きりの階段にやけに大きく響いた。
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貴 ｢････分かってるもんっ。
私がやんなきゃいけないって。
分かってる。分かってる。
分かってるんだけど･････っ｣
潤 ｢お前、何も分かってねぇよ｣
･
さっきよりも少し高い
お兄ちゃんの声が私を包んだ。
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潤 ｢泣くなよ｣
･
お兄ちゃんは私を胸の中に
スッと収めた。
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そーゆーことしないでよっ。
余計泣いちゃうじゃん。
･
お兄ちゃんのシャツに
私の涙が次々と染み込んでいった。
･
潤 ｢全部、一人で抱え込もうとすんなよ。
お前だけの問題じゃねぇし。
これは俺ら6人の問題だろ。
もっとお兄たちに頼れよな｣
･
たった2年早く生まれただけで
どうしてお兄ちゃんはこんなにも
大人なの？
･
どうして2年遅く生まれただけで
私はこんなにも幼いの？
･
お兄ちゃんばっかり
ズルイよっ･････。
･
私はお兄ちゃんのシャツを
キュッと握った。
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作者名：ミルキー | 作成日時：2012年5月3日 20時
