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バタバタという足音は階段を上りきり、
そのまま廊下を突き進み
ノックなしに私の部屋のドアを開けた。
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大当り、雅兄だ。
ノックをしないのは雅兄だけだから。
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つーか、妹の部屋に入るときぐらいノックしろっつーの。
心の中で文句。
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雅 ｢A？寝てるの？｣
貴 ｢･････････｣
雅 ｢寝てる、みたい？｣
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よし！
寝たふり大作戦成功！
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と、思った刹那
一気に体がヒヤッとした空気に包まれた。
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雅 ｢起きてんなら返事ぐらいしろよな〜？｣
私の布団を片手に私を見下ろす雅兄とバッチリ目が合った。
貴 ｢布団、返してよー｣
雅 ｢俺、お腹空いてんだから早く起きろって｣
全く話が噛み合わないこの人は
私の3つ上のお兄ちゃん、雅兄。
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貴 ｢分かったから、先行ってて｣
そう言うと素直に私の部屋を出て行った雅兄。
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てか、布団返してよね。
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布団を持ったまま出てった雅兄に
呆れながらのそっとベッドを出た。
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カーテンの隙間から見える窓の奥では
まだ雨が降っていた。
あの日のように―。
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作者名：ミルキー | 作成日時：2012年5月3日 20時
