・ ページ28
智side
振り向いた恋人は
凄くビックリした顔で
俺の名前を呟く
智『その人……誰？……』って和君との関係を探る
『学校の同期』って答えたあと
『何で、此処に居るの？…皆、心配してたんだよ』って聞いてくる
『ごめん……Wi-Fiもない山奥で…』って
『下山してすぐ連絡しようと思ったけど……会いに行った方が早いと思って…』
そんな俺達の会話が続く中
同期の子が『和…俺、先に学校に帰ってるよ』って
和君を呼び捨て？！そんなに仲良いの…！？
俺達の周りで、和君を呼び捨てするのは潤君だけ…
潤君は、俺達より先に和君と出逢っていたから
違和感なかった……けど……
俺達より後に出逢ったお前が…呼び捨て…？
恋人の俺だって……まだ『君』付けなのに…
和君が、『俺も一緒に帰るよ』って
『じゃあ…俺行かなくちゃ…』って歩き出す
やっと会えたのに…
そいつと行くのか？
和君をとられてしまいそうで…不安になる
思わず和君の腕を掴み
『駅前の喫茶店で…18時に待ってて…』
それだけ伝えて、腕を離す
驚いた顔をしていた和君
『わかった…後でね(^^)/』フワッて笑い背を向け同期と人混みに消えて行った…
楽しそうに…同期と話しながら遠ざかる和君を見つめて
和君の笑顔を見て
俺以外にそんな顔…見せないでよ
焦る…
和君の気持ちが…俺から離れていくんじゃないかって……
和君を呼び捨てにした同期に嫉妬する
その子は…俺の恋人だ……気安く呼ぶなよ…
何か…何か…俺達の繋がりが欲しい
和君と俺は恋人だっていう
繋がりが…
グルグルする頭で考える…
〜・〜・〜・〜・〜
18時
約束の時間になっても現れない恋人…
まだ、同期ってヤツと一緒に居るの？
約束……忘れちゃった？
不安で不安で…仕方がない
カランカラン♪
喫茶店のドアが開く
あ………来た……
軽く手を上げ和君に合図すれば
和『ごめん……ちょっと遅れちゃったね…』って申し訳なさそうな顔…
智『すっぽかされたかと心配した』って笑えば
講師と話が盛り上がっちゃって…て、就職活動に忙しいんだって話してくれる
久しぶりの和君…
毎日、充実した日々を送ってるのが伝わってくる…
和君の力になりたいから…悩み事とか、あったら相談してね♪って言えば
『ありがとう……でも、あんなところで会うなんてね(笑)皆、智君と連絡取れなくて心配してたから……顔見て、安心した…『お帰り』』って
まだ、俺には帰る場所
あるんだ…ってホッとする
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：arashiwistomo | 作成日時：2018年11月8日 14時
