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和side
今日は朝から土砂降りで…
まるで俺の心みたい…
毎日、毎日
笑顔を張り付けて、普通の学校生活を送っているけど
家に帰ると考える事は智君の事で…
切なくて……苦しくなる
普通の恋人ならさ
記憶を無くした恋人の側に寄り添って
励まし合って…乗り越えて行くんだと思う
けどさ
『男と付き合うなんて、有り得ないから』
『冗談キツイよ……』
そんな智君の言葉が頭をよぎって…
俺が智君にしてあげられることなんて
なにもない…
なにもないじゃん……
毎日、毎日繰り返す自問自答…
何日か前に病院に行った
でも、勇気がなくて智君のいる病室には行けなかった
中庭のベンチに座っていたら
雅・翔『和君っ！』って後ろから声をかけられた
急いでその場を離れようとすると
翔「待ってっ！逃げないで！」
雅「和君……会いたかった…」ってまー君に腕を掴まれた
翔「和君……潤君には言ったけど…俺達は、二人との繋がりをなくしたくない…」
雅「だから、和君達も、俺達と出逢った事…無かったことになんてしないでほしい…」
翔「今はさ……つらいと思うけど……智君ね…和君の悲しそうな顔が離れないって……それってさ、智君の中にちゃんと和君がいるって事だと思うんだ…」
雅「何日か前に潤君が来たとき、中庭で３人で話したんだ…智君にもう少し…時間くれないかな？…絶対和君の事、思い出すから…ねっ？」
こんなに皆が心配してくれてる
でも、皆の事大好きだからこそ
これ以上、心配させたくないって強く思う
まー君の話には何もこたえず
和「……ごめん……」って呟くしかできなかった
中庭のベンチに３人で座り
久しぶりに話す
雅「沢山メールしたんだよ…全然返信くれないんだもん(T.T)」って拗ねるまー君
和「ごめん…電源落としたままだ…」
翔「…えっ…今も？！スマホ使ってないの？！」ってビックリしてる翔君
和「そういえば…使ってないな…」
そう、今までは、スマホなんて体調不良を知らせるための道具でしかなかった
いつの頃からか…それは皆との繋がりを感じる為に、必要不可欠な物へと形を変えていた
雅「スマホ…触らない日がないから…信じらんない(*_*;」
翔「俺も…」
二人がワチャワチャ話してる
ふと空を見上げれば
冬晴れの夕暮れ
あの日と季節は違うけど
同じ空
茜色の空の下
茜色の空に舞うあの風の匂い
笑い声
甘酸っぱい思い出
あの日の智君からの告白を思い出す
大切な人に俺が今出来る事…
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作者名：arashiwistomo | 作成日時：2018年9月22日 14時
