今日からここが俺の居場所。 (ページ1)

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　◇憂鬱な帰り道‐‐和也↓ ページ1

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「ねー、ママー、あのお城魔法使いがいるのかなぁ？行ってみようよ～」

「ダメよゆかちゃん！あんな所行っちゃ！お家に帰りましょう」

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図書館の帰り道、そんな声がした。

親子の目線の先を見ると案の定、あったのは「嵐荘」。

"ゆかちゃん"と呼ばれている女の子が、嵐荘に行こうとしているのを、意地でも止めようとしている母親。

道の角に隠れ、二人が通り過ぎるのを待った。

和「早く行ってくれよ、帰れねぇじゃん。」

ため息をつき、もう一度顔を覗かせると、さっきの親子はもういなかった。

早足で嵐荘へ向かう。

入口まで入り、二度目のため息をついた。

家までの帰り道はいつも憂鬱である。

こんなこと・・・いつまで続くんだろうか。

うんざりしながら眼鏡の縁を上げると、後ろから強い視線を感じた。

翔「・・・おかえり。」

和「・・・・・。」

おばけのように両手をブランと下げ、ニタニタと笑う翔さんだった。

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