無口なくるくる。【ars】

過去とオムライス ページ1

友達「ねぇ、Aちゃん、なんか面白いこと言ってーぇ笑」






A「え…、？あ…何だろ…」








友達「…やっぱいーや。……リコちゃーん！」









こうやって、どんどん友達が逃げていく









「ちょっと可愛いからって…、ねぇ」







「面白くないのは…ねぇ、笑」









昔、自分の悪口を偶然聞いてしまって






プチ人間不信になり、


どんどん酷くなって






ついには、信頼できる人としか話せなくなった









昔からお喋りは苦手で、友達が話し掛けてくるのが怖かった。








でも、ユナは違った





何もできない私のそばにいつもいてくれて、




一緒に笑ってくれて、


一緒に泣いてくれて、


一緒に悩んでくれて、






最高の親友だった









ユナがいなかったら、私は今きっとこの世にいないのかなぁ









なんて考えてみたこともあった。









ユナ「A、本当かわい〜」







ユナ「Aの髪の毛羨ましいわ〜くるくる！」








そう笑うユナが世界一キレイだった









24にもなった今




ふと、過去のことを思い出して





シミだらけのカーテンの隙間から窓を覗くと

辺りはもう真っ暗。









ユナ「A？ご飯できたよ〜」






「…((こくり」






ユナ「いただきまーす」









ユナの手料理は最高で、目の前のオムライスを夢中で頬張っていた









ユナ「……A、」






「…、何？」






ユナ「髪の毛伸びたな〜って思って」






おしりまで伸びたこのクルクルした髪をユナはいつも可愛いと言ってくれる






唇についたケチャップを舐めながら、ユナは優しく微笑んだ









「…きろうかな」








ユナ「えー！やめた方がいいよ！それが似合うよ」








夕陽に照らされたユナがくすぐったそうに笑った

現実…→

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