初恋の続きを君に《Sho.S》 (ページ17)

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なかったことページ17

『こんなもんかな？』
「ありがとうございました…！
　すっごく勉強になりました！」
『それは良かった』

一通り案内してもらった私は、
先生と一緒に元の場所まで戻ろうとしていた。

『ね、ちょっとお願いがあるんだけど』
「はい？」
『ラインのID教えて？』
「…え!?」

一ノ宮先生に、私のラインを？
なんで？

『だめ？交換しましょーって提案』
「い…いやいや、だめって言うか…
　むしろ恐れ多いと言いますか」
『俺が知りたいの。ね？』

首を傾げながら言う先生は、
やっぱり子犬みたいだ。
もともと先生のファンな私が断れるはずもなく…

「わ…私でよろしければ」
『やった！ありがと』

まさか櫻井さんの連絡先よりも、
先生の連絡先を知ってしまうのが早いとは…

先生のアイコンを見ると、

「…マリオ好きなんですか？」
『そ、ゲーム好きなの』
「私も好きですよ、マリオカートとか」
『そっちかー、俺横スクロール派なのよ』
「なるほど(笑)」

しばらくゲーム…というかマリオの話をしていると、
先生がふと言った。

『なんかあったら相談してね』
「え」
『翔ちゃんのこと』

ビシッと体が固まった。
思わず先生を見ると、
私ににっこり微笑んでいて。

『好きなら好きって言わないと。
　気持ちはなかったことに出来ないよ？』
「せっ…先生、どこまで知って…」
『なーんにも。今日見ててなんとなく？』

今日見ただけでこれって…！

もしかして私、わかりやすい？