初恋の続きを君に《Sho.S》 (ページ13)

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好み*sideN ページ13

「あの、私…一ノ宮先生のファンなんです！」
『え、そうなの？』
「デビュー作から全部読んでて…」
『んふふ、それはどーもね』

目の前にいる翔ちゃんの幼なじみ、
堀川Aちゃんは、
すごく嬉しそうにそう言った。

「握手とか、お願い出来ますか…？」
『それはもちろん。はい握手ね』
「わわわ、ありがとうございます！
　どうしよう、もう手洗えない…」
『なにそれ(笑)』

Aちゃんの言葉に、大野さんも笑ってた。

『ニノ、翔くん戻ってくるまで堀川ちゃんと話してて』
『了解』
「え、そんな…」
『なあに、俺じゃ不満？Aちゃん』
「め、滅相もない！むしろ勿体なさすぎて！」

俺もくすくす笑いながら、ソファに座った。

しかし改めて見るとこの子…
翔ちゃんの好みまんまな気ぃするんだけど。

対応は丁寧だし、動作も綺麗だし。
制服もきちんと着てて、清楚系？

「あの一ノ宮先生、お仕事大丈夫ですか？
　私邪魔してません？」
『大丈夫大丈夫。
　それより俺、昔の翔ちゃんの話聞きたいの』
「昔の櫻井さん…ですか？」

気もつかえるし、充分可愛い子ちゃんだわ。
翔ちゃんの名前を出したらすっげー可愛く笑うあたり、
この子が翔ちゃんに告白した幼なじみちゃんってことはまちがってないと思う。

でも、幼なじみなのに“櫻井さん”って呼んでる。
そこから考えると…
この子は翔ちゃんから距離をとろうとしてる？