初恋の続きを君に《Sho.S》 (ページ2)

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高2、秋。ページ2

「Aーっ」

名前を呼ばれて振り返る。

「優香？」
「A、もう帰るの？」
「あーうん、今日は用事があるの」
「あ、家庭教師が来るんだっけ！
　そろそろ進路かためなきゃだもんね」

高校2年生の秋。

そろそろ本格的に進路を考えなきゃいけない時期。
行きたい大学がある私は、
特別成績が不安なわけではないけど…
今から準備しとくべきだってことで、
家庭教師をつけてもらうことになった。

「まぁね…」
「家庭教師って大変だよねー。
　Aがそんなテンションになるのもわかる」
「それだけじゃないの…！」
「へ？」
「私の家庭教師の先生ね、
　幼なじみのお兄ちゃんなの！」

優香が、びっくりした顔で私を見た。

「Aの幼なじみって…櫻井翔さんだよね？」
「…うん」
「Aの初恋の人だよね？」
「…」
「うっそ！帰って来たの？」
「就職のために帰ってきてたらしいんだよね…
　ただおばさんちじゃなくて、
　ちょっと離れたとこで一人暮らし中みたい」

優香は、私が中学生のころからの親友だから、
私が告白したことも、
失恋したことも、
妹として仲良くしていこうと決めたことも…

全部、ぜーんぶ知っている。

「もともと去年帰ってきてたんだけど、
　いろいろばたばたしたらしくて…
　報告が遅れちゃった☆っておばさん言ってた」

はぁぁ、とため息が出た。