・ ページ2
「え……」
目の前の光景に言葉が出なかった。
「すごいっしょ、うちの大野サン」
満足げな二宮さんの声。
「びっくりした？」
そう言って俺の顔を覗き込んできたその表情は、悪戯が成功した子どもそのものだ。
「びっくり…というか、なんというか…」
ご飯を運んできたときよりも濃くなった画材の香り。
床には色とりどりの絵の具が乗せられたパレットが置いてあって。
真っ白なキャンパスに大野さんは色を乗せていた。
…その瞼を閉じたままで。
「これって…一体どういう…」
俺らが入ってきたことにも全く反応を示さない大野さんは、ただひたすらにぺたぺたと色を置いていく。
まさか、寝たまま…？
「そのまさか、よ。大野さん、寝たままもの作ってんの」
本人も無意識だし作ってるときの記憶も朧気なんだって、と二宮さんが言う。
「うそ…」
御曹司で、睡眠依存症で、寝たまま仕事、ってちょっと変わり者すぎない？
「まぁ、寝ながら事件解決しちゃう奴だっているじゃん。それと一緒よ。眠りの大野サン」
それは彼の手柄ではないんじゃ…と思ったけど。これ以上二宮さんの感情の何かに触れるとよくない気がしたから言わないでおく。
…てか、二宮さんそんなの知ってたんだ。
なんかちょっと親近感。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 532人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
智帆(プロフ) - わんだーさん» ご訪問ありがとうございます！そんな有難いお言葉頂けるなんて…書き手冥利につきます(;_;) こちらこそ次章でも足を運んでくださるのを心待ちにしております！ (2017年5月7日 23時) (
レス) id: 1e469aed4f (このIDを非表示/違反報告)
わんだー - 私は智帆さんの書くお話好きです*´▽`*潤くんのかわいさを最大限に表してくれるというか…←誰だよww 移行楽しみに待ってますね〜♪ (2017年5月7日 8時) (レス) id: 39877dc9a7 (このIDを非表示/違反報告)
智帆(プロフ) - 涙さん» 赤さんも青さんにはあまり強気に出れない雰囲気ですね(^^;)登場が少ない分、青さんは読めない人になりそうな予感がします。 一番紫さんにちょっかいかけてるだけあって(笑)、持ち前の鋭さも相まってお見事な洞察力の黄色さんです(^^) (2017年4月7日 1時) (レス) id: 1e469aed4f (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - 大野さんはどうやら何か考えがあるようですが、なんなのでしょう...全然分かりません笑翔くんと大野さんは付き合いが長くてお互い理解してる感じがありますね。潤くんとうとう働きすぎでお熱出してしまって...すぐに気が付く勘の良い二宮さん、流石です笑 (2017年4月6日 15時) (レス) id: f0424149f7 (このIDを非表示/違反報告)
智帆(プロフ) - わんだーさん» はじめまして！コメント嬉しいです〜ありがとうございます(^^) まだまだ手強くて赤さんは一筋縄ではいかなそうですね笑 気づくと青さん寝てばかりで出る機会がなくなりそうなので登場しましたが、彼は一歩引いてよく色んな人を見てます。またお待ちしております！ (2017年4月5日 10時) (レス) id: 1e469aed4f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：智帆
| 作成日時：2017年2月11日 18時
