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｢空間が歪められているんだわ｣
｢いつの間に‥。早く出口を探さないと｣
話しながらも前に歩み出すウラヌスを止める。
｢待って！藻掻けば藻掻くほど、
私達はネヘレニアの罠に絡めとられている気がするの。
こうやって私達を消耗させるのがネヘレニアの狙いかも｣
｢じゃあこのまま何もせず、
じっと手を拱いて見てろって言うのか！
僕達には時間がないんだ｣
｢でも｣
｢惜しいな｣
｢！｣
突然砂埃が起き、中には黒い影が見える。
｢そのまま迷宮に閉じ込めて、
惨めに野垂れ死にさせてやろうと思っていたのに｣
砂埃が晴れると、そこにネヘレニアはいた。
｢ネヘレニア！｣
｢闇の女王自らお出ましか。
残念だけど、貴様の玩具にはならないよ｣
先手必勝とウラヌスはネヘレニアに向かい、
蹴りを繰り出すが簡単に避けられてしまう。
｢フハハハ！｣
｢マーキュリー！アクア・ラブソディー！｣
次はマーキュリーがネヘレニアに向けて技を放つ。
が、いとも簡単に跳ね返され、威力も衰えず
マーキュリーに向かい、避けられず飛ばされてしまう。
｢マーキュリー！大丈夫か？｣
ウラヌスはマーキュリーに駆け寄り支えると
ネヘレニアが放つ技から危機一髪の所で避ける。
｢無駄だ。その程度の力では
妾の髪の一筋も傷付けることは出来ぬぞ｣
｢黙れ！｣
｢待って！攻撃しちゃダメ！｣
｢やらなきゃ、こっちがやられる！
ワールド・シェイキング！｣
威力の強いウラヌスの技もネヘレニアには効かず、
そのまま返されウラヌスも飛ばされてしまう。
｢セーラーウラヌス！｣
｢白い月の者共、1人ずつなぶり殺しにしてくれる｣
(力の差があり過ぎる‥。このままじゃ勝てない)
小学生の頃。
バスケットの練習に参加出来なかった亜美。
けれど、自分に出来る事は何か。
勉強が得意だった自分。
バスケットの本を読んで作戦を考えて
クラスメイトと共に参加出来たあの頃を思い出す。
(そうだわ！私には、私のやり方がある！
まだ確かめないといけないことがある‥)
自分のアイテムであるゴーグル、コンピュータを出し、
敵を観察し調査を始めるマーキュリー。
(嫌な目だ‥。諦めを知らぬ澄んだ瞳。
そんな目で妾を見るな！)
ネヘレニアは我慢が出来ず、マーキュリーに攻撃を放つ。
攻撃を浴びながらも調査する手を止めない。
(何をやっているんだ、あいつ。何故戦わないんだ？)
｢戦え！セーラーマーキュリー！
それでも君はセーラー戦士か！｣
｢まだ‥、まだデータが揃わない‥｣
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作者名：歩 | 作成日時：2023年5月6日 4時
