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暗闇だけが広がる空間に
変身が解け倒れていたうさぎが目を覚ます。
｢ここは‥｣
｢ようこそ、白き月の王女｣
｢っ、は！｣
うさぎの目の前に鏡が現れ、ネヘレニアも姿を見せる。
｢つくづく愚かな女よ‥。
罠と知りつつ飛び込んでくるとは。
それ程までにあの男が愛しいか？｣
｢ネヘレニア！｣
｢覚えておるぞ。
愛する者の為に、その身を擲った貴様の姿を。
だが、奇跡も2度は起こらぬ｣
｢まもちゃんを返して！｣
｢フフフ、良い目だ‥。
憎しみと悲しみに溢れたその目が心地良い‥｣
｢待って！｣
ネヘレニアの姿が消え、暗闇だった空間が
何故か吹雪が吹き荒れた雪原に変わっていた。
｢これは…｣
〈苦しむが良い‥。もっともっと苦しむが良い‥。〉
異型の姿をしている城の様な場所にネヘレニアはいた。
椅子に腰掛け、鏡でうさぎの姿を見つめている。
｢言ったはずだ。
夜明けまでに、妾の元まで辿り着き呪いを解かぬ限り、
この男の心は永遠に悪夢に苛まれ続けると。
さぁ、妾の元へ来るが良い。
貴様の愛する男はここにおるぞ？｣
優雅にワインを飲むネヘレニアだったが、
他のセーラー戦士達がここに向かっている姿が鏡に映ると
グラスを握り締め、怒りを顕にする。
テレポートをしながらも、ちびムーンの姿が消えかかる。
(私、消える‥？そんなの、嘘だよね？
うさぎ、まもちゃん！)
不安そうなちびムーンに気付き、
サターンとサンが握っていた手に力を込める。
｢大丈夫だよ、ちびうさ｣
｢人2ちゃん‥｣
｢プリンスとプリンセスを信じて｣
｢ほたるちゃんも‥。ありがとう‥｣
｢おのれ！白き月の王女を追ってここまで入り込んで来たか！
許せぬ！奴の愛する者全て奪い取ってくれる！｣
持っていたグラスを鏡に向かい投げつける。
割れた鏡の中へとグラスの破片は吸い込まれ、
割れたはずの鏡は元に戻っていく。
テレポートしている戦士達の前に光るモノ。
｢あれは‥｣
｢ぶつかる！｣
｢避けて！｣
｢手を離すな！バラバラになったら益々ネヘレニアの‥｣
固く手を握り合うも、光る破片で手が離れ
バラバラに飛ばされてしまう戦士達。
遺跡の様な場所に落ちたのはウラヌス。
｢ここは‥｣
見渡せる場所に立つも誰もいない。
｢1人か‥｣
そこに石を蹴る音、そして足音も。
｢誰だ！｣
振り向くウラヌスの目に、マーキュリーの姿。
｢サーン！｣
｢セーラームーン！｣
マーキュリーと合流したウラヌスは
自分のプリンセス達を呼び続ける。
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作者名：歩 | 作成日時：2023年5月6日 4時
