セーラー戦士の苦難 ページ39
衛がネヘレニアに連れて行かれ、
サンがセーラームーンへ力を渡そうとした時
ちびムーンの体に異変が起きる。
｢な、なにこれ！｣
｢！｣
その声にサンも振り返ると、ちびムーンの姿が光り
消えそうになっていた。
変身も解けてちびうさの姿に戻ってしまう。
｢ちびうさ！｣
倒れそうになったちびうさをサンはすぐに駆け寄り抱き留め、
ちびうさの姿が維持出来るように自分のエナジーを注ぐ。
｢ちびうさちゃん！｣
皆が傍へ駆け寄ってくる。
｢一体何が‥｣
｢とりあえず私のエナジーを注いだから
姿を保つことは出来ると思う。今のうちに場所を移そう？
そこで詳しく話すわ‥｣
火川神社---
レイの部屋のベッドにちびうさを寝かせ、
アルテミスとルナ、ダイアナも呼び
部屋の中には美奈子、まこと、亜美、レイが。
縁側にはうさぎが座り、
人2、はるか、みちる、せつな、ほたるは外で
それぞれが話す為に集まっていた。
｢タイムパラドクス‥｣
アルテミスの声にせつなは頷き、話し出す。
｢未来が‥。スモールレディーの未来が
大きく変わろうとしているのです｣
｢どういうこと？｣
｢もしこのまま、プリンスがネヘレニアの元から戻らなければ
未来の世界でプリンスとプリンセスは結ばれないことになる。
スモールレディーは生まれなかったことになる｣
｢っ！｣
｢未来が変わる‥｣
｢そんなことって‥｣
｢じゃあ、さっき
ちびうさちゃんの体が消えそうになったのは‥｣
｢おそらくその前兆でしょう。
今は人2の咄嗟の判断で姿を保てていますが…。
もっと早く気付くべきでした。
私自身が感じていた時空の揺らぎが
こんなに重大なことだったなんて‥｣
｢ネヘレニアの呪いがそれほど強力だってことか‥｣
｢うさぎ？｣
俯きながら手を握り締めるうさぎに気付き、
人2は声を掛けるが、そのままうさぎは立ち上がり
駆け出そうとする。
｢待ってうさぎ！｣
人2はうさぎの手を掴み引き止める。
｢これは罠だ｣
｢ネヘレニアの狙いはあなたなのよ？｣
はるか、みちるもうさぎに声を掛ける。
｢プリンスは必ず私達の手で取り戻してみせます。
だから、あなたとスモールレディーはここに留まって‥｣
｢そんなの嫌！｣
｢うさぎ‥｣
人2はうさぎに寄り添い、掴んでいた手を握る。
｢イヤだよ‥まもちゃんのいない未来なんて‥。
ちびうさが消えちゃうなんて‥。
待ってるなんて出来っこない‥｣
うさぎの涙が変身ブローチに当たり、光を放つ。
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作者名：歩 | 作成日時：2023年5月6日 4時
