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｢セーラームーン！｣
衛の強い力で後ろに倒れそうになるが、
サンが駆け寄り、セーラームーンを支える。
ちびムーンもセーラームーンの傍に寄ると衛に声を掛ける。
｢ひどいよ、まもちゃん！突き飛ばすなんて！｣
ちびムーンに声を掛けられても衛の表情は変わらず、
また鏡に向き直ってしまう。
｢まもちゃん！聞いてるの？！｣
｢いいのよ‥。ちびムーン‥｣
｢セーラームーン‥。
衛さん、どうして？うさぎが分からないの？！
そんな闇のパワーに負けないで！
あなたはこの星のプリンスでしょ！｣
｢サンもありがとう‥。私は大丈夫だよ？｣
｢もう一度、自分を取り戻し‥っ！｣
サンがまた衛に浄化の力を使おうとしたその時、
衛が触れる鏡に黒い影が映り、
やがてはっきりとその姿が現れる。
｢あれは‥｣ ｢ネヘレニア‥｣
｢やっぱり、封印が解けたんだわ！｣
そこにウラヌスやネプチューン達も駆け付ける。
｢白き月の王女よ、見目麗しくお過ごしか？
太陽の光の者よ、そなたも妾の邪魔ばかりしてくれたな。
だが、それもここまでだ‥｣
｢まもちゃんをどうするつもり？！｣
｢フッ。妾が暗く冷たく狭い闇の中に封印されている間、
そなたはその外の世界で妾を嘲笑っていたのだな。
愛する者に囲まれて、明るい陽射しの中、
金色に輝く髪を靡かせて‥｣
｢私は、あなたを嘲笑ってなんか‥｣
｢おだまり！そなたもそうだ‥。
自ら強い光を放ち、誰からも愛され、必要とされ、
持て囃され、太陽の光に橙色の髪を靡かせていたのだろう？｣
｢ハッ。ただ私達を羨んでるだけじゃない。
あなたが持てなかったモノを私達が持っているから？
笑わせないで！自分のことしか考えられないあなたに
誰も付いていこうなんて思わないだけよ！｣
｢黙れ！
お前達の愛する者は妾が全て破滅へと導いてくれるわ。
まずは白き月の王女、お前の愛する者からな！｣
鏡からネヘレニアの手が現れ、衛の肩を掴み
鏡の中へと引きずり込んでいく。
｢やめて！まもちゃん！｣
｢待って！セーラームーン！｣
サンが止めようとするがそれを振り切り
セーラームーンは衛の傍に駆け寄っていく。
しかし、セーラームーンは鏡をすり抜けられず、
鏡に拒まれるかのように弾かれる。
｢フレーム・アロー！｣
｢マーズ！フレイム・スナイパー！｣
敵だけを狙うようにサンとマーズの攻撃の矢が放たれるが
鏡の中に吸い込まれる様に技が消えてしまった。
｢チッ‥｣
サンは攻撃技では効かないと判断し、
サンロッドをネヘレニアへと向ける。
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作者名：歩 | 作成日時：2023年5月6日 4時
