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｢遅くてよ、あなた方｣
｢ここは私達が食い止めます。
あなた方は早くプリンスの所へ！｣
｢サンもセーラームーン達と行け｣
｢分かった。ここは任せたわ｣
｢あぁ、すぐに追いつく！｣
セーラームーンがエレベーターのボタンを押す。
｢早く、、早く来て、、｣
開いたエレベーターからも黒い影‥。
突然鋭い爪を向けて襲ってくる。
｢ジュピター！オーク・エボリューション！｣
ジュピターの技で敵が砕け散るも油断は出来ない。
｢今だよ、早く階段から！｣
｢日頃の特訓で鍛えた足の見せ所ね！｣
｢特訓‥？｣
｢いやいやいや、ほら早く！セーラームーン！｣
階段を駆け上がりながらセーラームーンは
先程エレベーターから見た時の敵の黒い影、
衛の部屋で見た鏡の中の影、全て長い髪を持つ敵の姿が
以前倒したはずの敵の姿と一致した。
そして、セーラームーンの足が止まる。
｢どうしたの？セーラームーン！｣
｢早く行かないと！｣
｢あの時の黒い影‥。私、見覚えがある！｣
｢｢え？｣｣
｢あれは‥、ネヘレニア！｣
｢そんなことありえないわ！｣
｢そうよ！ネヘレニアは新月に封印されたんだから！｣
｢でも、その封印が何かの方法で解かれたとしたら！｣
｢マーキュリーの言う通りかもしれない‥。
転生を待ち眠っていた私を覚醒させることも、
ほたるの成長を促し戦士として覚醒させることも、
すべて同じモノの仕業なのだとしたら‥。
ネヘレニアの封印を解き、私達に向けて仕向けることも
簡単に出来るはず‥｣
｢でも、何の為に！｣
｢分からない‥。でも、ネヘレニアの封印を解くことで
私達は戦士として新たに覚醒したのは間違いない‥。
それを目的としているのだとしたら…。
とにかく、今は一刻も早く衛さんの所へ！｣
｢まもちゃん‥｣
何とか衛の部屋へと辿り着き、皆が目にしたのは
鏡で埋め尽くされた変わり果てた部屋だった。
｢これは‥｣
｢やっぱり私の浄化も一時凌ぎだった‥。
敵の負のエネルギーが強すぎるッ‥｣
｢まもちゃん！この鏡‥｣
｢鏡を見ていると落ち着くんだ‥。
段々楽になるのが分かるんだ‥はぁ…｣
鏡に触れながら、光が無くなった瞳、
自我も保てずにいる衛の目が金色に光る。
｢まもちゃん、駄目だよ！｣
｢鏡から闇のパワーが出ているんだよ！｣
｢まもちゃん！｣
セーラームーンは衛に駆け寄る。
｢これ以上鏡を見るのは止めて？ね？｣
鏡から衛を離そうと近寄るセーラームーン。
しかし…
｢うるさい！｣
衛はセーラームーンを弾き飛ばす。
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作者名：歩 | 作成日時：2023年5月6日 4時
