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｢もう分かったから、鍵開けて中見てきたら？｣
｢人2ちゃんは？｣
｢私まで勝手に中入っちゃダメでしょ‥｣
｢えー？大丈夫だよー｣
｢いやいや‥。家主に黙って中に入れないよ。
せめて玄関で待ってるから｣
｢うー、分かった｣
｢何かあったら呼んで？｣
｢うん｣
ガチャッ---
｢お邪魔しまーす｣
｢お邪魔します｣
｢暗ーい、まもちゃん本当に出掛けてるのかな？｣
｢‥‥奥｣
｢え？｣
｢気配がする‥｣
｢まもちゃん？｣
｢多分‥衛さんの気配だけど‥。邪気が‥｣
人2は部屋の奥から衛の気配と邪気を感じ取っていた。
｢ごめん、うさぎ。私もお邪魔するね？｣
｢うん｣
うさぎと一緒に部屋へと入る。
部屋には大小様々な鏡が置かれていた。
人2はこの状況に目を鋭くする。
｢こんなにまもちゃんの部屋、鏡あったっけ‥｣
部屋に入ってより邪気を感じた人2は
アコーディオンカーテンで仕切られている奥の部屋を指差す。
｢うさぎ、この奥｣
｢うん‥。まもちゃーん？いるのー？｣
うさぎは声を掛けながらカーテンを開ける。
そこには、大きな鏡の前に立つ衛の姿。
こちらには全く気付いていない。
｢衛さん‥｣
うさぎは衛に近付こうと部屋へと足を進める。
その時、鏡越しに衛の目が金色に光り、黒い影が映りこむ。
｢まもちゃん！｣
それを見たうさぎは駆け寄ろうと踏み出す。
｢うさぎ！危ない！｣
踏み出した先には、床に倒されている鏡がある。
人2が声を掛けるが遅く、うさぎは鏡を踏み割ってしまう。
その音で衛は、漸くこちらに気付き振り返る。
｢誰だ！｣
振り返り、うさぎと人2を見つけ訝しげな眼差しを向ける。
｢何でここにいる？｣
｢まもちゃん、今そこに、人が‥｣
｢勝手に人の部屋に入るなんて、止めてもらいたいな｣
｢ご、ごめん、私‥｣
｢衛さん｣
人2はうさぎを守るように前に出る。
｢君まで入ってくるなんて、どういうつもりだ？｣
｢あなたを心配しているうさぎに気付かない？｣
｢心配なんてしてくれなくて結構だよ｣
割れてしまった鏡に衛は近付き触れる。
｢可哀想に‥｣
割れているガラスに触れ、指先が切れる衛。
それを見たうさぎが慌てて駆け寄り、手を包み込む。
｢まもちゃん！大丈夫？｣
｢やめろ！｣
衛はうさぎの手を振り払う。
それを見た人2は部屋に立ち込める邪気を一瞬で浄化する。
そして、衛に近寄り手を翳す。
｢衛さん、正気を取り戻して｣
衛を包む暖かい光。
先程まで虚ろな目をしていた衛の目に光が戻る。
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作者名：歩 | 作成日時：2023年5月6日 4時
